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第288話

起きてない……よな? 唇を離して確認するが、城崎の目は閉じていて、寝息も立てている。 下は反応してるけど…、これは生理現象だと思う。 夢精ってのがあるくらいだし、そりゃ寝てても気持ちよかったら反応くらいするよな…? 表情を伺いながら、俺は城崎の腕の間から抜け出し、ベッドからそっと降りる。 こういう時シングルベッドは不便だ。 大きいベッドなら、ベッドから降りずとも身体をずらすだけでいいのに。 なんて思いながら布団を捲り、城崎の下腹部あたりに顔を近付ける。 ここなら見えないよな? 「んっ……」 ジュッ…と強く吸い付き、城崎のお腹や太腿にキスマークを付ける。 久々に綺麗に付いてとても満足だ。 いつも城崎が俺にばっかしてくれること、俺も本当はたくさんしてあげたかった。 してあげたいってのも勿論だけど、俺もしたいというか。 俺だって城崎の隠された性感帯とか知りたいし、それに独占欲だってあるし。 そう。その隠された性感帯。 隠してはないか…。 いつも気になってるけど試せないでいるあそこ。 いつ起きるかビクビクしながらも、俺は城崎の胸の飾りへ手を伸ばす。 俺とは違って、というか一般的なだけだが、チョンと胸の上に突起している乳首。 俺は乳首捏ねられるとめちゃくちゃ感じてしまうけど、城崎は感じないのかな?って不思議に思うことがある。 だからと言って、触ったこともないし聞いたこともない。 興味本位で触って怒られても嫌だから、今まであまり気にしないようにしてたけど…。 するりと指の腹で撫でるが、城崎の体は全く反応しなかった。 人差し指と親指で摘んでみても、全く反応なし。 寝てるから? それとも普通は乳首なんて感じないのか? 俺は触れられただけでヤバいのに…。 「あ、やべ。」 気持ちが焦って乳首をいじる指先にキュッと力が入った瞬間、城崎の体がビクンッと揺れた。 起きて……ない? でも今、感じてた? 城崎の新しい性感帯を見つけられたのが嬉しくて、俺は城崎の乳首を捏ねた。 爪先でグリグリってされると痛気持ちいいんだよな。 ヒリヒリするくらいまで弄られた後、すげぇ優しく舐められるのも堪らない。 いつも城崎がやってくれるみたいに真似していると、突然城崎の両足が俺の体をホールドした。 「先輩、擽ったい。」 「あ…、えっと……、起きた?」 「はい。というか、最初から起きてます。」 「え?」 「寝たふりしたら先輩がキスしてくれたから。そのまま狸寝入りしてたら、可愛いイタズラ始まったんで様子見してました。」 「?!!」 え、嘘? キスの時から?ずっと? 寝るフリ上手すぎるだろ!! 「ちなみに乳首は少し擽ったいぐらいで、先輩みたいに性感帯ではないかなぁ、俺は。」 「あ…、そ…うなの……?」 「ぷふっ(笑)動揺しすぎて固まっちゃってるじゃないですか。」 「…………」 そりゃ動揺するよ。 今俺、必死になんて言い訳するか考えてるんだから。

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