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第289話
城崎は何も聞いてこない。
多分俺がなんて切り出すのか愉 しんでいるんだろう。
本当……性格悪い…。
「城崎の性感帯知りたかったんだよ……。」
「ふぅん?」
「あと……、俺のもんだって印つけたかった……。」
「ああ、これですか?」
城崎は俺に見せつけるように布団を捲り、太腿や腹部を晒す。
そこには俺が付けた印が紅く綺麗に咲いていた。
「可愛すぎて我慢するの大変でしたよ。」
「起きたらよかったじゃん…。」
「だってもっと可愛い先輩観察したかったし。」
「可愛くねぇから…。」
何の躊躇いもなく可愛いとか言われると照れる。
今まで可愛いなんて言われても嬉しいと思ったことなかったけど、城崎に言われるのは嬉しい。
顔に熱が集まって思わず俯くと、城崎は俺を抱きしめて耳元で囁く。
「ちなみに俺の性感帯、教えてあげましょうか?」
「え…?」
「項 と、脚の付け根。」
「…っ!」
「さっき我慢するの、本当大変だったんですからね?」
脚の付け根はたしかに、さっき太腿にキスマークを付ける時に一瞬城崎の体に力が入った気がする。
あれ、感じてたのか。
というか、耳!
俺が耳弱いの知っててこういう事してくるから、本当たまったもんじゃない。
声エロすぎるし。
めちゃくちゃソワソワしてきた。
城崎に触れたい。
城崎に触れてほしい。
「なぁ…、城崎、触っていい……?」
「勿論です。俺のこと、感じさせて?」
何も隠そうとせずベッドに腰掛ける城崎の足下に跪 く。
さっきキスマークを付けた場所よりもっと際どい、ペニスのすぐ隣に顔を寄せる。
唇を当てると、城崎はビクンッと体を揺らした。
舐めてからチュウチュウ吸うと、城崎は俺の髪を掴んで気持ちよさそうに低い声を出す。
勃起した城崎のペニスが頬に当たり、驚いて上を見上げると、城崎はすげぇエロい顔をしていた。
フェラしてやろうかな…。
そう思って顔の位置をすぐ隣にシフトしようとすると、城崎に止められた。
「気持ちは嬉しいですけど、今日は先輩の誕生日ですから。俺が先輩のこと気持ちよくしたいです。」
「いいよ。俺がしたいから…。」
「ちょ、先輩っ!」
城崎の制止を無視してペニスを口に含もうとすると、肩を掴まれ離される。
城崎は顔を真っ赤にして、息を荒くしていた。
「挑発してすみませんでした…っ。謝りますから、一旦落ち着いて。このままじゃ今日一日セックスコースですよ?」
俺はそれでもいいけど。
そう伝えると、城崎は何か予定しているのか「駄目です」の一点張りで、一旦二人でシャワーを浴びることになった。
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