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第293話

「先輩、今日特別感じやすくない?」 「そ……、そう…?」 息を整えていると、城崎は俺を抱きしめて髪を()く。 もう結構疲れた。 連続で射精したからかな…。 本当はもっとシたいけど、体力の衰えには勝てない。 城崎、朝からずっと出してねぇよな……? 「挿れねぇの?」 「んー。今はこうして先輩抱きしめてるだけで満足ですよ?」 「嘘だ。いつも性欲魔神じゃん。」 「俺のことなんだと思ってるんですか…。好きな人の体無理させてまでしようと思わないですよ。」 城崎は俺に気を遣ってくれているようだ。 紳士…。ずりぃよ、こんな格好良いの。 「チューしよ。」 「先輩からして?」 「いいよ。」 唇を重ねて、舌を入れる。 俺から仕掛けたはずなのに、いつも通りいつのまにか俺が組み敷かれて、されるがまま深いキスに移行していた。 「ん…ぁ、城崎……っ」 「な、何してるんですかっ…!」 「触って……?」 城崎の手を胸に誘導する。 城崎は戸惑った様子だったが、口を歪ませて俺の乳首をクリクリとほじくった。 「ぁっ…」 「変な声出さないでください。」 「ぷっ…、城崎、変な顔。」 「煽ってくるからでしょ。こっちがどんな思いで……」 「紳士じゃないの?」 「紳士ぶってるけど、俺本当はめちゃくちゃ我慢してます。」 「ん、ゃぁっ…」 城崎にもっと触れられたいと俺の乳首がぷっくりと突起し、城崎に与えられる刺激に体がビクンッと震える。 キスされながら乳首弄られんの、めちゃくちゃ気持ちいい。 城崎はどう触れば俺が感じやすいか知っているから、俺が(よろこ)ぶように的確に刺激を与えてくる。 「つーか、我慢すんなって。挿れていいから。」 「今日は先輩優先の日ですから…。あんま煽んないでくださいよ…っ」 「何でそんな(かたく)ななの。」 挿れたら俺が疲れると思ってるのか? いや、そりゃ疲れるけど、それよりも幸福感とか快感とかの方が余裕で勝つんだけどな。 「俺、平気だから。」 「でも…」 「城崎とシたいんだけど。………ダメか?」 「……っ」 城崎に抱きついてそう強請(ねだ)ると、城崎は堪らない顔をして俺を押し倒した。 「もう知りませんから!今更やめてって言っても無理ですからね!?」 エサを目の前に垂らされた肉食獣みたいに、今にも襲い掛かってきそうな城崎に自らキスをする。 それが合図となって、城崎と俺の身体が重なった。

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