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第326話

二日目を終え、新幹線で東京に戻る。 涼真と東京駅で別れ、城崎との新居に帰ってきた。 もう時刻は21時。 とりあえず城崎から連絡が来るまで、荷物の片付けをしようと鞄を開ける。 洗濯物を分けていると、何故か城崎のパンツが俺の荷物から出てきた。 「何で……?」 朝城崎はパンツ履いてたし……。 あれ? そういえば、俺たまたま城崎とお揃いで買ったパンツ履いてたような…? もしかして今朝、城崎間違えて俺の履いて行った? ということは、このパンツは……。 「………ちょっとだけ…だし……。」 城崎のパンツを握りしめ、顔を近付ける。 変態じゃない、決して。 ちょっと好奇心というか、興味というか。 「………っ」 匂いはそんなにキツくないけど、なんかこう…、ムラムラしてきた。 右手で自分の股間を触ると、……うん、勃ってる。 だってさ、恋人が1日履いてたパンツだよ? しかも今会えなくて寂しくて。 いいじゃん、これくらい。 変態じゃないもん、俺。 「…っ、……ふっ…、うぅ……」 パンツを鼻に当てながら、俺は右手で自慰に(ふけ)る。 止まんない。 どうしよう。もうすぐ城崎から電話が来るかもなのに。 変態じゃないって自分を言い聞かせるように言ってるけど、今俺がしてること、変質者と同じなのでは? と、一瞬理性を取り戻すけど、でも恋人のだし…って感情が勝ってしまう。 「ぁ…、クッ………!」 今にもイキそうなとき、ブーッ…ブーッ…とスマホが着信を知らせた。 何故このタイミング? このまま電話に出たらヤバい。 どうしよう? でも出なくて、浮気とか疑われたら嫌だし。 出るしかない?どうする、俺? 「もしもし……」 「あ、やっと出た。どうしました?何かしてました?」 結局電話に出てしまった。 出せず(じま)いで、体も熱い。 城崎の声を聞いて、余計にその気になってしまう。 「今日はどうでした?」 「え…っと……、うまく…いったよ……?」 「よかった。こっちも順調ですよ。明日が勝負で、その結果によっては明後日早めに帰れると思います。」 「ん……、嬉しい……。」 「あ、それとね、先輩。」 「な…に……?」 「俺、間違えて先輩のパンツ履いて帰っちゃったっぽいんですけど、そっちに俺のありますか?」 「っ…!!」 びっくりして息が詰まる。 だってそのパンツ、たった今まで俺のオカズになってたし…。 動揺がバレないように、あくまで自然に振る舞う。 「マジ…?ちょっと見てみる……。あ、本当だ…、あった。黒のやつ……?」 「あー、そうです。あったならいいんです。洗濯お願いしても良いですか?」 「う、ん……。」 なんとか乗り切ったか…? 俺はホッとしてソファに腰を下ろした。

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