332 / 1069

第332話

何度強請っても(かわ)され、もう俺はキスと愛撫だけでとろとろにされていた。 城崎はまだ余裕そうな顔で、俺はムッとする。 帰ってきた時は「余裕ない」って、すげぇ俺を求めてたくせに…。 「城崎のバカ…。」 「ふーん。そういうこと言うんだ?」 「……ふっ、ん…ぁ…んん…」 俺の口が悪くなると、お仕置きだと言わんばかりに刺激を大きくして俺を黙らせる。 涙目で見上げると、城崎は動きを止めた。 「その顔ズルい。反則です。」 「……挿れろよ…。」 「じゃあ先輩がゴム付けて?上手くできたら挿れてあげる。」 「はい。」とゴムを渡され、袋を開封して中身を取り出す。 先端にゴムを当て、根元までゆっくり伸ばそうとするが、なかなか進まなくて気持ちが焦った。 「なぁ、入んない…っ」 「だって今先輩に触られて興奮してますし。」 「もうちょっと小さくしろよ。」 「無理。てか俺のより、先輩のお尻の心配した方がいいんじゃないですか?」 俺がゴムを付けようとすると、余計に城崎のちんこは大きくなり(らち)があかない。 城崎の言う通り、俺の後ろを緩めとかないと挿入(はい)らないのも事実。 ヘッドボードからローションを取って、手のひらにたっぷり出して城崎に見せつけるように後ろを解した。 「なぁ……、挿れたくねぇの…?」 「………っ」 「俺こんなにお願いしてんのに…、んゃぁっ!?」 ぐちゅぐちゅ音が鳴るくらい乱雑に(ほぐ)していると、後ろに突っ込んだ俺の指を抜き取られ、代わりに城崎の長い指が入ってきた。 「傷付くから。優しくして。」 「ぁっ、そこ…、そこ気持ちいぃ……」 「先輩の気持ちいいとことか全部知ってるし。というか、俺が先輩に挿れたくないわけないでしょ。」 「はっ…ぁあ…、そこ好きっ…、気持ちぃ、好きぃ……」 「ゴム付けずに挿れたら絶対我慢できないから、こっちは必死に我慢してるのに。人の気も知らずに煽ってばっか…!」 「あっ、あ、あぁ…っ♡城崎…、しっ、ぁ…」 どんどん城崎の口調は荒くなっていき、俺の中を擦る城崎の指の動きも比例して激しくなった。 気持ち良くて声が止まらなくて、城崎にしがみつきながら声を止めるために歯を立てる。 「ゴム途中で破れたらごめんね、先輩。」 「あ、ああぁっ、あーーー」 ズブブブっと一気に根本まで押し進められ、やっと繋がれた感動と気持ち良さに思わず涙が出た。 ガンガン奥を突かれ、押し出されるように声を上げる。 こんなにも激しく求められているのに、俺の涙を(すく)う城崎の指はあまりにも優しい。 何も出てないのに何度もイッてる感覚に襲われる。 城崎の視線や体温、息遣い、仕草すべてが俺に快感を与え、意識がどこかへいってしまいそうなほど気持ち良い。 「〜ッッ!!」 中で大きく脈打ったのを感じ、城崎が達したことに気付く。 俺はそれを離さまいと中を収縮させると、城崎は気持ちよさそうに低い声で唸った。 余韻に浸る暇もなく、城崎は律動を再開する。 「…っぁ、あ……、城崎…っ!…イク…っ、またイクっ!」 「…俺も……っ……、イキそうです……」 最奥を突かれた時、俺と城崎は同時に達した。

ともだちにシェアしよう!