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第355話

「ん…ん…っ、ふぅぅ……♡」 「………っ」 気持ちいい。 大きくて冷たい城崎の手が、丁寧に俺のちんこを扱いている。 それだけで気持ちいいのに、お尻にはガッチガチに勃起した城崎のそれを当てられて、ものすごく興奮している。 咥えたハンカチはもう俺の唾液でグショグショで、俺は必死に漏れる声を手で抑えながら城崎からの快感を全身で受け止める。 パタタッと白濁を便器に吐き出し、やっと渦巻く熱に解放された俺は、疲れ切って城崎にもたれた。 「気持ちよかった?」 そう聞かれて、こくんと縦に首を振る。 城崎は「可愛かったよ。」と甘く囁き、俺の髪や首筋、鼻先など至る所にキスを落とす。 「先出て、待っててください。」 「城崎は…?」 「大丈夫。先輩いたら(なお)んないから、すぐ行くから待ってて?」 「わかった。」 トイレ内に人の気配がないことを確認して、俺だけ個室から出た。 手を洗い、トイレの前で城崎を待つ。 20分ほど待っただろうか、もしかしたらもっと短かったかもしれない。 苦笑しながらトイレから出てきた城崎の手をそっと握り、小声で聞いた。 「イケた…?」 「はい。さっきの先輩可愛すぎたんで、まぁ…」 「ダメだなー。観光する気満々だったのに、キスだけでお互いこんなんなっちゃって。」 「本当ですね…。でも好きすぎるから仕方ないですよ。」 「それはそうだな。てか、もう水族館出ないと次がヤバいかも…。」 トイレに籠っていた時間が意外と長くて、スケジュール的にあと30分でここを出ないと、次の予定が押してしまうことになりそうだった。 次はダイビングだし、予約しているから遅れるわけにはいかない。 「先輩、イルカは見なくていいんですか?」 「見てる暇ないもん…。」 「ちょっとだけ見ていきましょう?ほら、こっち。」 城崎に手を引かれ、イルカエリアに到着する。 ちょうどショーが終わって、飼育員がイルカに餌をやっているところだった。 「か、かわいい〜!!!」 「キュイ…?」 「うわあああ!かわいい!かわいい!!」 動画を回しながら興奮する俺。 その光景をクスクス笑いながら動画を撮る城崎。 似たようなこと、前にもあったような…。 「すみません。餌やりとかさせてもらえたりって…?」 「!!い、いいですよ!どうぞ!」 「ありがとうございます。はい、先輩。」 城崎は飼育員にもらった餌を俺に渡す。 いや、飼育員さん目をハートにしてるけど。 絶対城崎への特別対応だろ、これ。 「先輩、撮ってるから早く。」 「お、おう。」 飼育員さんの見様見真似で餌をやると、イルカが喜びながら鳴き声をあげた。 「可愛すぎる……。無理ぃ……。」 「すみません、写真撮ってくれませんか?」 「は、はいっ!」 城崎はイルカにメロメロになっている俺の隣に座り、飼育員のお姉さんに写真を撮ってもらった。

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