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第371話

部屋に戻ると、涼真はまだ夢の中。 どうやら俺たちが出て行ったことに気づかず、ぐっすり眠っていたようだ。 「先輩、寝ましょうか。」 「うん。」 布団を捲り、俺をベッドへ(いざな)う。 俺に続いて城崎もベッドに入り、涼真から隠すように抱きしめられる。 「おやすみ。」 「おやすみのキスは?」 「キスとかはダメって言ったろ?」 「…………ケチ。」 キスを断ると、城崎は露骨に拗ねた顔をした。 だって、こういうときの城崎って、絶対普通のキスじゃ済まないし。 「先輩、ダメ?」 「だーめ。」 「声出ちゃうから?」 「それもある。」 「じゃあ俺は声出さないから、触って…?」 俺の手首を掴み、グッと下に引っ張られる。 触れた城崎のそこはまだ柔らかい。 ズボン越しに触ると、(じれ)ったいのかズボッと中へ手を入れられた。 「はっ…。先輩の手、あったかい…。」 「ちょ…、やっぱ無理…!声出そう…。」 「何で?触られてるの、俺なのに。」 (じか)に感じる城崎の熱。 俺が触れるたびに硬度を増し、熱く大きく成長していく。 恥ずかしくて顔を逸らすと、空いた手で顔を合わせるように固定される。 「………恥ずかしい。」 「先輩顔真っ赤。林檎みたい。」 「うるさい…。」 「ねぇ、キスしていいですか?」 「…………」 「いいでしょ?」 「…………うん。んっ、ぁ…」 俺が"Yes"と言うのを分かっていたかのように、返事をした瞬間唇が重なり、下が唇の間を割って入ってきた。 キスと手の中にある熱い感触にどんどん興奮が高まり、息が荒くなる。 涼真がすぐそばにいる背徳感が、何故か俺の興奮をさらに掻き立てて、今は正常な判断ができる気がしない。 「ふっ…ぅ、んっ♡んンッ…ぁ…♡」 「先輩、逆手(さかて)でして…?」 「こ、こう…?」 「そうそう。あー、ヤバ。」 城崎の喉仏がゴクンと動く。 感じてくれてるんだなって思うと、なんかすげぇ満たされて、手の動きを早めた。 「先輩、上手。」 「気持ちいい…っ?」 「はい、気持ちいいです。そろそろ出そうかも…。」 俺の手の上に城崎の手が重なり、シュコシュコと手際よく動く。 城崎が目を閉じて気持ちよさそうな顔をしてて、手に少し力を込めると、熱い何かが俺の手の中に吐き出された。 布団から手を出すと、城崎の精液が俺の手のひらを汚していた。 さっきのお風呂でのことを思い出して、俺は手のひらに下を這わせる。 「苦……」 「ふふっ…、そりゃそうですよ。無理しなくていいですよ?」 「大丈夫…。」 俺は手のひらに付いた白濁を全て舐め、ベッと城崎に舌を見せた。 「マジでエロすぎ…。」 「んっ♡ん〜…」 城崎は自分の精液なのに、気にせず何度も俺に深い口づけを繰り返した。

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