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第375話

約3日ぶりの家。 丸2日くらい空けてただけなんだけど、ここに帰ってくると少しホッとする。 「先輩…、ただいまです。」 「んっ…、ぁ…ぅ……」 旅行中もずっと一緒だったけど、周りには人がいた。 二人きりの時も完全に気は抜けないし。 俺たち二人だけが許された空間だから、ここなら思いっきり城崎に甘えられる。 「城崎…、城崎、もっと…」 「もっと…、何?」 「ん…、触って…ほしぃ……」 「俺も。先輩に触れたい。」 「ぁっ…」 城崎の右手が服の裾から中へ侵入し、肌に触れる。 冷たくてびくつくと、くすくす笑われた。 「ごめんなさい。冷たいですよね。」 「う……、ご、ごめん…。」 「もう11月ですから。先にお風呂で温まりましょ。」 「……うん。恥ずかしいから、2分後くらいに来て…?」 「ふふっ。わかりました。」 脱衣所の扉を閉めて、服を脱ぐ。 鏡に映る自分を見ると、城崎が旅行前にたくさん付けたキスマークは少し薄れていた。 また付けてくれるかな…? でも別に、何か予定あるわけじゃないし…。 「先輩〜?もういいですか?」 「あ、待って!まだ!」 「あと30秒で2分だから、それ以上は待たないですよ〜。」 ドアの外側から城崎の声がする。 適当に入浴剤を手に取って、浴室へ移動した。 お風呂に入浴剤をぶち込み、体を軽く流して湯に浸かる。 ちょうど肩まで湯に浸かった時に、城崎が浴室の扉を開けた。 「あー、間に合わなかったか。」 「ふぅ……。」 裸なんて幾度となく見られているけど、改めて明るいところで見られると思うとなんだか恥ずかしい。 いや、本当に見られまくってるんだけど…。 「今更いいじゃないですか。裸の一つや二つ。」 「俺の体は一つしかねーっつの。……普通に恥ずかしいんだよ。」 「どうせ後でたっぷり見ますけど。」 「そーゆーこと言わなくていいから…。」 城崎もシャワーで汚れを軽く流してから、湯船に入った。 大人の男二人が入ると、ザブンッとお湯が溢れる。 城崎に手招きされて、俺は照れながらも城崎の上に座った。 「はー……、落ち着く………。」 「…………。」 「先輩、可愛い…。最高に可愛いです……。」 「……そういうのいいって。」 「だって、我慢してても口から溢れてきちゃうんだもん。先輩が可愛すぎるのが悪いです。」 城崎は俺を猫可愛がりする。 こんなに愛されてると、俺って本当に男だったっけ?とか、今までの彼女のこと愛してあげられてたのかな?って不安になる。 こんなに幸せで満たされてるの、本当…、初めてだから…。 「城崎…………」 「なぁに、先輩?」 「…………好きだよ。」 俺も、って言おうとした城崎の唇を、唇で塞いだ。 言えなくて一瞬不満そうな顔してたけど、すぐに切り替えて俺からキスの主導権を奪う。 「今夜は覚悟しててくださいね?」 余裕な笑みでそう言った城崎は、その後ベッドで俺を気が狂ってしまいそうなくらいの快感の絶頂へ導いた。

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