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第399話

次の日は幸いにも日曜日だったので、重だるい腰を(さす)りながら、こたつで横になる。 昨日城崎がたくさん中に出した精液は、綺麗に風呂場で掻き出されたので、腹痛もほとんどない。 逆に言えば、少しだけお腹痛いけど。 「先輩、ご飯できましたよ。」 「ん〜……。こっちで食べるぅ……。」 「だめです。ちゃんと椅子に座ってください。」 こたつで食べたいとわがまま言うと、ばっさりと拒否された。 こういうとこは真面目なんだよなぁ。 たまに甘々なのに。 俺がダイニングチェアに座ると、後ろから綺麗に盛り付けられたパスタが運ばれてくる。 パスタをテーブルに置いて、城崎は俺を後ろから抱きしめ、心配そうに俺のお腹に手を置いた。 「痛みますか…?」 「へーき。それよりお腹すいたし、早く食べよ?」 「ん。いっぱい出しちゃって、ごめんなさい。」 耳元でリップ音を立てて、離れていく。 俺の向かい側に城崎は腰を下ろし、「いただきます。」とパスタを食べ始めた。 俺は恥ずかしくて固まってるんだけど。 「先輩、食べないの?」 「た、食べるよっ!」 誰のせいで固まってると思ってんだ! 城崎の言葉で、昨日の記憶が甦る。 恥ずかしい……。 「先輩、クリスマスのことなんですけど。」 「うん、何?」 「イブの日ね、家じゃなくてもいいですか?」 「金曜だろ?仕事じゃん。」 「そうじゃなくて。夜、家に帰らずにホテル行きたい。」 ホテルか……。 久々……というか、珍しいというか。 同棲してからはもちろん行ってないし、同棲前も大体俺の家だったしな…。 「でも、イブの夜なんてどこも空いてないんじゃないの?」 「もう予約してるんです。あとは先輩の同意だけ。」 「城崎がいいなら、俺は全然いいよ。断る理由ないし。」 「じゃあ決まりですね。残業しないように、仕事多かったら俺に回してくださいね?」 そんなに楽しみにされると、照れる…かも……。 ラブホ? いや、城崎が大イベントでそんなチープなところ選ぶわけないし…。 待てよ…? 城崎が予約するほどのホテルって……。 「なぁ、まさかまたスイートとかじゃないよな…?」 「さぁ?その日のお楽しみってことで。」 「あんまり無駄遣いしちゃダメだからな?」 「〜♪」 城崎はさっさと食べ終えて、口笛を吹きながらキッチンへ逃げた。 これ、もしかして……。 まさかまた、すげぇ高いとこ予約してるんじゃないだろうな……。 俺は楽しみなような、複雑なような不思議な気持ちになった。

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