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第416話

俺、実はこういう背徳的なこと、好きだったのか? 自覚はないが、俺の口から出たのは否定ではなかった。 「やっぁ…、ごめ、んなさぃ…!もっとしてぇ…。」 「へぇ〜。先輩はいろんな人に見られたい変態さんなんですね。」 「やっぁ…、あっああっ…♡♡」 ゆさゆさと大きく腰を振られ、中で城崎が達した。 一度俺の中からモノを出し、ゴムを付けようとする城崎の手を止める。 もっといっぱい城崎のこと感じたい。 城崎にももっと気持ち良くなってほしい。 俺の快楽への欲望は、どんどん膨らんでいた。 「生…でシよ……?」 「俺、先輩の中綺麗にしてあげる体力残ってる自信ないんですけど。」 「いいから…っ、お願い…」 「……っ、も…、エロすぎ。」 「ひぁあっ!あっ、アッ!城崎っ、城崎♡♡」 勢いよく城崎が奥まで挿入ってきて、俺は目をチカチカさせながら射精した。 ガラス戸に白いドロッとした液体が伝う。 脚の力が抜けて少し姿勢が崩れると、城崎のモノがさらに奥へと突き刺さった。 「……ぁ…は……」 「先輩、息して。」 「っ…、は、はぁっ…」 呼吸も止まってしまうくらい強烈な快感に、俺は口をはくはくさせた。 なんか入れちゃダメなとこまで入ってる気がする。 中から押しつぶされているような圧迫感が苦しいのに、それが気持ちいい。 頭イカレる……。 ぎゅぅぅっとお尻の穴を締めると、城崎も熱い息とともに中に吐き出した。 「先輩、そろそろやめよっか?」 「な…んでぇ……?」 「もう先輩ヤバそうな目してる。何回トンだ?」 何回って……。 酔った頭で分かるわけなくて、思考を停止させる。 抱きしめられて、ベッドルームへ連れていかれる。 「あとはもう、とびっきり優しく抱いてあげます。」 「ふぇ……?」 「激しくしてごめんね。」 「あっ…♡…ん、ぁ……」 さっきまで脳汁ダバダバに溢れ出るようなアブノーマルなセックスをしていたのが嘘かのように、城崎は初めてシたときみたいに丁寧に俺の身体に触れる。 俺の身体を宝石みたいに扱う手の動きに、そわそわしてしまう。 「ここ、痛くない…?」 「ぅ、うん。平気……。」 「よかった…。ねぇ、覚えてますか?」 「何を…?」 「先輩、最初ここに入れるの、すげぇ怖がってたの。」 城崎は俺のお尻の穴を指の腹でくるくる撫でる。 もう受け入れ慣れて緩んだ穴は、城崎の指一本くらい軽く飲み込んでしまうけど、最初は指一本どころか指の先ですら入らなかった。 「当たり前だろ…。は、初めて……だったし……。」 「うん。すげぇ嬉しかった……。」 「…………」 「俺が先輩にとって、初めての男だもん。初恋の人の初めてもらえるなんて、こんな嬉しいことない。」 城崎は俺の髪を梳きながら、愛おしそうに何度も唇にキスを落とす。 触れるだけのキスに、思わず強請ってしまいそうになる。 「初恋は叶わないって言うじゃないですか?」 「うん……。」 「俺はすごく幸せ者ですね。初恋も叶って、おまけに先輩と同棲までして。先輩といると、どんどん好きって気持ちが膨らんでる。」 「俺もだよ?」 「うん。だから幸せ者なの。」 気持ちいいだけのセックスもいいと思ったけど、俺やっぱり城崎に愛されてるって実感できる、このゆっくりした時間の方が好きだ。

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