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第426話
「できたわよ〜♡……って、あら?顔赤いけど、大丈夫?もしかしてお邪魔だったかしら…?」
「………っ」
「いや、大丈夫。麗子ママ、ありがとう。」
俺がイッたあと、しばらくして城崎もイッた。
もちろん、中では出してないけど。
城崎はけろっとした顔してるけど、俺はまだ恥ずかしくて顔なんか上げられたもんじゃない。
「もぉ、夏くん。綾ちゃんが可愛いからって、どこでも手出しちゃダメよ?」
「何で分かっ……んん…!」
「先輩、これ適当に言ってるだけだから。バラしてどうすんの。」
「?!!」
「やーん♡こそこそ隠れて何してたの?♡♡」
麗子ママにバレていたのかと返事したのがダメだった。
ハッタリだったのかよ…。やられた……。
城崎は「はぁ…」とため息をついた。
「ご、ごめん…。」
「いや、先輩にため息ついたんじゃないから。」
「だって……」
「そーゆー騙されやすいとこも俺は好きだから。先輩の全部が好き。だからそんな悲しい顔しないで?」
額にチュッとキスをされて、体温が上がる。
麗子ママは隣でキャーキャー言ってる。
「麗子ママ、うるさい。」
「だってぇ〜♡こんなに甘々な夏くんが見れる日が来ると思わないじゃない!シャンパン持ってくるわね!」
「いいって。この後イルミネーション行くし、先輩に飲ませないから。」
「夏くんがイルミネーション!?うっそぉ〜!素敵!いいわね♡え〜♡今夜はホテル?」
「あ…、ホテルは昨日…」
「昨日?!え、どこ…、キャー!!ねぇ、それあのホテルの紙袋じゃない?!えっ!?嘘!!クリスマスイブに?きゃー!!♡♡♡」
麗子ママの興奮が止まらない。
ホテルで帰りに買ったお菓子の入った紙袋を見て、息を荒立てる。
長年城崎のこと知ってる麗子ママですら、今の城崎を見たことないって、なんかそれってすごい優越感…。
「へへ……」
「先輩、何ニヤけてるんですか?」
「ん〜?城崎のこと、好きだなーって。」
「そんな可愛いこと言ってたらキスしますよ?」
いつもなら人前だからダメって言うけど、麗子ママだってらいいか。
城崎に向かい合って目を閉じると、なかなかキスが降ってこなくて一度目を開ける。
城崎は驚いた顔をしていて、もう一度俺が目を閉じるとゆっくりと唇が合わさった。
しっとりとした大人なキス。
たっぷり味わい、最後に唇を舐めて離れていった。
「何……、ずっと見てたの?」
「だって……♡すごいもの見ちゃった♡」
顔を手で隠しながらも指の間から俺たちをガン見していた麗子ママに、城崎は呆れたようにため息をつく。
こんなに長いキスシーン、ばっちり人に見られてたの初めてかも…。
「まぁでも、料理ありがと。」
「あ、そうそう♡同棲おめでとぉ〜♡」
「ありがとうございます…///」
まだ顔の火照りは治らないが、せっかくだから熱いうちに頂くことにした。
麗子ママの得意な家庭料理から、お酒に合うおつまみ、メインの肉料理など様々。
すげぇお酒飲みたくなっちゃうな、これ。
「お酒出して。」
「いいわよ♡綾ちゃんも飲む?」
「飲…「先輩はダメ。」
飲む!と返事しようとしたら、城崎に先に止められた。
狡い。城崎は飲むのに。
「拗ねてもダメだから。」
「ケチ!!」
その後店を出るまで、何回強請ってもお酒は一滴も飲ませてくれなかった。
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