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第434話

あーーー…………。 やっちまった。 「せーんぱい?林檎みたいですよ?」 「……何も言わないで。」 裸の城崎に抱きしめられ、手で顔を覆った。 思い出すと顔が熱くなる。 忘年会、飲み過ぎて頭おかしくなったんだ。 今は家。 なんでかって、城崎にお持ち帰りされたから。 ん?同棲してる場合は、お持ち帰りとは言わないか…? 「みんなにちゃんと締めの挨拶もしてない……。」 「まぁまぁ。いいじゃないですか。俺が代わりにしておきましたから。」 「よくない……。あー…、もう、まじで合わせる顔ない…。」 トイレで城崎とキスしたあと、盛り上がって本番までやってしまった。 同僚が心配してトイレまで呼びに来てくれて、そこで酔いが覚めたのは覚えてる。 もうみんなの前に戻れるような状況じゃなくて、軽く顔だけ見せて宴会場を後にした。 で、タクシーで家に帰って、ベッドにもつれ込んで今に至る。 「だから言ったでしょ?飲みすぎちゃだめって。」 「……もー何も言わないで………」 「本当今まで酔った時何もなかったのが不思議でしょうがないです。よく襲われなかったですね。」 城崎と付き合うまでは、酔っても愚痴りまくったりとか、寝たりとか、そういう感じの酔い方だったのに。 城崎と付き合ってからは、すげー甘え上戸になってないか?俺。 え、つまり酒癖悪くなったのって、城崎のせいなのでは…? 「先輩、俺のせいにしようとしてます?」 「…っ!」 「なんなら俺が居なかったら酔っても大丈夫とか思ってませんよね?もうダメですよ。今の先輩は俺が居ても居なくても、酔ったら俺のことベラベラ喋るでしょ。」 言われてみればたしかに…。 城崎の名前いっぱい呼んじゃいそう。 つまりバレちゃうからダメだ。 「先輩エロすぎて本当困ります。居酒屋のトイレでするなんて破廉恥すぎます。しかも駅弁したいとか…」 「あああああ!!もう言わないで!!」 「あんな上目遣いにおねだりされて、俺が断れるわけないじゃないですか。声かけに来てもらえなかったら、他の誰かがトイレに来て確実にバレてましたよ、ヤッてるって。」 「ごめん。マジで今後気をつける…。」 「は〜。あんなにエロ可愛いのは家だけにしてください…。」 城崎にキスされて、またそわそわする。 気持ちいい。 もっと…して欲しい……。 「あー、その顔。マジで可愛い。先輩、俺にしか見せちゃダメだよ?」 「んっ…、ぁ、もっと……♡」 「舌出して……、ん、上手。」 ベッと舌を出すと、城崎は俺の頭を撫でながら、唇を重ねて舌を絡めとった。 気持ち良すぎてその気になってしまい、俺は城崎の腰に足を絡めて引き寄せた。 「まだするの?先輩ってば、元気ですね…っ」 「ん、ンンッ…♡♡」 夜中の0時を過ぎたにも関わらず、俺たちは第3ラウンドに突入した。

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