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第452話
ドサッ……
「し、城崎……?」
風呂から上がり、いつもみたいに優しく髪を乾かされ、「あぁ、今からやっと抱かれるんだ」と思った矢先、ネクタイで手首を縛られて、ベッドに放り投げられた。
あれ?なんで…?
さっきまであんなに良い雰囲気だったのに、俺、なんかした…?
「先輩…、俺怒ってるって言いましたよね?」
「へっ?!な、何を?!」
「分かんないんですか…?」
「待って…!え、キスマーク……?でも許したって…」
「許したけど怒ってるって言いましたよ。俺、あの電話の後からずっと不安で不安で仕方なかったんですからね?……だから、お仕置きです。」
「ま…、ぅわっ!?城崎っ?!」
突然視覚が遮断された。
痛くはないから、タオルか何かで目隠しされたんだと思う。
目隠しを取ろうにも、手が縛られててそれは叶わなかった。
「ひゃっ…!」
下腹部に冷たくてとろっとした何かがかけられる。
多分ローションだ。
視覚が遮断されているから、それを補うように聴覚、嗅覚、味覚、触覚が働こうとする。
腰の辺りをするりと撫でられ、ビクビクッと体が大きく跳ねた。
「先輩、いつもより感じるでしょ?」
「や…、外して……っ」
「駄目。お仕置きだもん。」
「ひっ…ぁ、あ!城崎っ、城崎…っ!!」
腰を撫でていた手は、お腹、胸元、腋…と滑るように俺の感じるところに移動する。
名前を呼ぶと、「ふっ…」と笑う声が耳をくすぐる。
「先輩、実は今触ってるの俺じゃないって言われたらどうする?」
「……っ」
「俺以外で感じてたら、怒るよ?」
そんなわけないと思う。
あの人一倍独占欲が強い城崎が、自分以外の人に自ら俺を触らせるなんてあり得ない。
それに、こんなに優しく俺に触れるのは城崎だけだ。
でも、もしかすると0.0001%でも城崎以外だって可能性があるかもしれないから、その不安を拭うために今すぐ抱きしめてほしい。
「城崎っ…、抱きしめて……!」
「え〜。どうしようかな〜?」
「お願い…っ!」
感覚が研ぎ澄まされ、城崎の息遣いすら鮮明に耳に届く。
城崎がいる方向は分かってるのに、縛られてて抱きしめることもできない。
じたばたもがいていると、ぎゅーっと抱きしめられた。
「かーわいい♡」
「ぁっ…」
「触れてるのが俺でよかったね、先輩?」
敏感に城崎の匂いや触れられている感覚などを感じる。
この匂いは絶対城崎だ。間違いない。
僅かに残っていた不安が解消され、俺は体の力を抜いて城崎に身を委ねる。
「いいの?そんなに油断してたら、俺何するかわかりませんよ?」
「………城崎だから…いいよ…。」
「ふぅん。じゃあ、シよっか?」
「うぁっ?!!」
突然ペニスを握られて、俺は一際体を大きく揺らした。
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