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第457話

せっかくの三が日。 のんびりできるのは今日までなので、城崎と一緒にこたつで横になる。 温かさに包まれながら横になっていると、突然睡魔に襲われる。 「せ〜んぱい♡」 「ん〜……?」 「眠い?」 「ん〜…」 ほぼ半分寝てる状態の俺を、城崎が背中からぎゅーっと抱きしめてくる。 すげぇ尻揉まれてるんだけど……、まぁいっか。 「先輩のお尻柔らかいね。」 「ん〜……」 「直接触ってもいい?」 「んー………、ひゃあっ?!」 適当に相槌を打っていると、ズボンの中に少し冷たい手が入ってきて俺の尻に触れた。 突然のことにびっくりして、背後にいる城崎を睨む。 「なんで睨むんですか。俺聞いたでしょ?」 「聞いてない!」 「先輩が適当に相槌打つのが悪いんですよ。」 「もう俺寝てたじゃん!ひゃぁっ!?」 もみもみ揉まれて、時々指が穴を掠めるから変な声が出る。 うぅ…。 いつもなら城崎にしがみついて快感を逃すのに、後ろから揉まれてるからそれができなくてムズムズする。 足を擦り合わせながらもじもじしていると、城崎が俺の耳元でうっとりと溜め息を吐く。 「あー…、先輩のお尻、俺の手に吸い付くみたいにむっちりしてて大好き…♡」 「それ、俺が太ったって言いてぇの?!」 「まぁ多少は太ったんじゃないですか?ここ二日で特に。」 「ひっ…!?」 お腹の肉を摘まれて、ブワッと顔が赤くなった。 今まで摘める脂肪なんてなかったのに…! なかったのに……!!! 「正月太りってやつ?最高ですね、むちむちな先輩♡」 「や、痩せるからっ!!」 「前もそんなこと言って、ダイエットすぐやめたじゃないですか。」 「うっ…。」 城崎の言う通り。 俺は同棲して間も無く、毎日城崎の手料理を腹一杯に食って太った。 体重が明らかに増えてダイエットを始めたものの、城崎が邪魔してくるからすぐにやめたのだ。 結局毎日営業で走り回って、それから食べる量も多少は気にしていたから元には戻ったんだけど…。 「俺は先輩が太ってもいいですよ?触り心地いいんで♡」 「俺はやだ!!」 「えー?なんなら、ぽっちゃりじゃなくてブヨブヨでも愛してあげますよ?」 「絶対嫌!!!」 今までの自分の体型は嫌いじゃなかった。 というか、むしろ好きだったくらいだ。 身長はまぁもう少し欲しかったけど、ちゃんと運動して筋肉も維持してたし、城崎くらいの頃は体脂肪率とか気にしてたし?! 太ってる自分は許せない!みたいな思春期の女の子みたいなこと考えてるのも恥ずかしいんだけど、でも城崎だって、本当に俺が太ったらきっと幻滅する…。 「先輩、泣かないで?」 「泣いてねーもん……。」 「俺がすげぇ効率いい運動教えてあげよっか?」 「………そんなのあるのか?!本当っ?」 「はい♪じゃあベッド行きましょうか♡」 「ベッド…??」 城崎にコタツから引っ張り出され、ベッドルームに連れて行かれた。

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