463 / 1069

第463話

誰もいない会議室に入り、鍵を閉める。 「触っていいぞ。」 「はいっ♡」 「…ぅっ……」 「よし」の合図を出すと、城崎は我慢していた分たっぷりと俺の尻や太腿を撫で回した。 俺の空いた両手はどうしたものかと、とりあえず城崎の背中に腕を回すと、さらに密着して距離が近くなる。 「先輩、チューは?」 「………する。」 唇を差し出すと、キスをしながら思う存分触られた。 「あ、そういえば先輩。有休取れましたよ。」 「マジ?」 「はい♪俺と先輩が業績1位2位キープ、かつ事務仕事も早めに終わらせておくこと条件で。」 「おー、じゃあ頑張らないとな。」 「はいっ♡」 城崎が満足するまで触ったのち、椅子を寄せて座り、弁当を開ける。 「なぁ…、やっぱりダイエットさせる気ないだろ、おまえ。」 弁当の中身は唐揚げ、トンカツ、ポテトサラダ…など。 カロリー高くね? ジロっと城崎を睨むと、ニコッと笑って小首を傾げられる。 「やだなぁ。取ったカロリー分、先輩が俺の上でたくさん動けば消費できるでしょ?」 「何でお前の上限定なんだよ、バカ。」 頭を小突くと、「ごめんなさい。」と言いながらも反省の色は薄い。 「今日はしないぞ。新年会参加するし。」 「えぇ?!なんでですか!あれ自由参加ですよね?」 「世話になってる人たちばっかなんだから、参加するだろ普通。」 「やーだー!先輩帰りましょうよー。俺とダイエットしよ?継続しなきゃ意味ないですよ??」 「行く。お前も来い。」 「ええ〜………。」 城崎はすごく嫌そうだ。 おべっかを使うのは得意なはずだけど。 「先輩が他の人と話すから嫌。」 そんなことだろうと思った。 「ガキみたいなこと言うんじゃねぇよ。社会人だろ。」 「じゃあ先輩飲んじゃダメですよ?」 「できるだけな。」 酒の席で酒飲まない、ましてや今までの飲み会では飲んでた俺が飲めないとも言えず、その約束はできない。 城崎はぷくーっと頬を膨らまして拗ねていたが、何か思いついたように表情を明るくした。 「あ。いいこと考えた!俺も先輩と一緒に挨拶回り行けばよくないですか??」 「あぁ、いいよ。」 「そうすれば先輩に色目使う人たちも、俺が追い払えますし。」 「ん。じゃあよろしく。」 挨拶回りを一緒にすることになったからか、城崎の不機嫌は少しばかりマシになり、食事が済んだ後に膝枕をしてやると、起きた時にはご機嫌だった。 営業って気も使うし疲れるからな…。 朝から頑張って疲れたんだろう城崎の髪を撫でると、嬉しそうに擦り寄ってきて可愛かった。

ともだちにシェアしよう!