480 / 1069

第480話

そして一週間後の土曜日。 今日一日二人きりじゃないことが嫌らしく、城崎は朝から唇が荒れるくらい俺にキスをして、そんな俺は酸欠でクラクラして、ソファで横になっていた。 やっと冷静になってきた頃、インターホンが鳴った。 時刻は11時30分。 ちゅんちゅんが城崎の手料理を食べたいと言うので、城崎はキッチンで料理中。 俺は小走りで玄関まで迎えに行った。 「おはよ。涼真、ちゅんちゅん。」 「綾人、おはよー。」 「おはようございますっ!すげぇいい匂い!」 ちゅんちゅんはドアを開けた瞬間、城崎が作る料理の匂いを嗅ぎ取っていた。 玄関の戸を閉め、リビングへ誘導する。 「すげー!最上階で角部屋だし、広いんだけど!何部屋あるんすか?」 「リビング合わせて4部屋。あと洗面所と風呂とトイレ。」 「えー!こっちが風呂ですか?うわっ!広っ!!」 「おい。ちゅんちゅん。」 リビングへ案内しているのに、ちゅんちゅんは左右の扉を興味津々に開けようとしている。 「こら。まっすぐ着いてこい。」 「だって〜!気になります、望月さんたちの寝室!ベッドは一緒なんですか?」 「ひ…、秘密…っ!」 なんつー質問してくるんだよ! 同僚に恋人との夜事情知られるなんて嫌すぎる。 「え〜。教えてくださいよ〜?同棲を続ける秘訣とか!ベッドは一緒の方がいいですか〜?」 「当たり前だろうが。」 「し、城崎っ!?」 キッチンで料理していたはずの城崎が突然現れて、背中から俺を抱きしめる。 びっくりしたのもあって心臓がバクバクと早鐘を打つ。 「毎日シてるんですか?」 「先輩の負担にならない程度な。」 「ひゅ〜っ!熱々ですね!」 何が負担にならない程度だよ。 次の日仕事でも、暴走して腰砕けにするときあるだろうが。 とは言えず、とりあえず黙る。 「寝室見せてもらっても?」 「ダメ。」 「え〜。」 「寝室以外なら見ていいよ。つか、先に昼飯食え。」 「もうできてるんですか?!さすが城崎さん〜♪」 料理に釣られ、ちゅんちゅんはまっすぐリビングへ向かっていった。 城崎は俺の腰に手を当て、リビングへ誘導する。 振り返ると、涼真が苦笑してついてきていた。

ともだちにシェアしよう!