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第480話
そして一週間後の土曜日。
今日一日二人きりじゃないことが嫌らしく、城崎は朝から唇が荒れるくらい俺にキスをして、そんな俺は酸欠でクラクラして、ソファで横になっていた。
やっと冷静になってきた頃、インターホンが鳴った。
時刻は11時30分。
ちゅんちゅんが城崎の手料理を食べたいと言うので、城崎はキッチンで料理中。
俺は小走りで玄関まで迎えに行った。
「おはよ。涼真、ちゅんちゅん。」
「綾人、おはよー。」
「おはようございますっ!すげぇいい匂い!」
ちゅんちゅんはドアを開けた瞬間、城崎が作る料理の匂いを嗅ぎ取っていた。
玄関の戸を閉め、リビングへ誘導する。
「すげー!最上階で角部屋だし、広いんだけど!何部屋あるんすか?」
「リビング合わせて4部屋。あと洗面所と風呂とトイレ。」
「えー!こっちが風呂ですか?うわっ!広っ!!」
「おい。ちゅんちゅん。」
リビングへ案内しているのに、ちゅんちゅんは左右の扉を興味津々に開けようとしている。
「こら。まっすぐ着いてこい。」
「だって〜!気になります、望月さんたちの寝室!ベッドは一緒なんですか?」
「ひ…、秘密…っ!」
なんつー質問してくるんだよ!
同僚に恋人との夜事情知られるなんて嫌すぎる。
「え〜。教えてくださいよ〜?同棲を続ける秘訣とか!ベッドは一緒の方がいいですか〜?」
「当たり前だろうが。」
「し、城崎っ!?」
キッチンで料理していたはずの城崎が突然現れて、背中から俺を抱きしめる。
びっくりしたのもあって心臓がバクバクと早鐘を打つ。
「毎日シてるんですか?」
「先輩の負担にならない程度な。」
「ひゅ〜っ!熱々ですね!」
何が負担にならない程度だよ。
次の日仕事でも、暴走して腰砕けにするときあるだろうが。
とは言えず、とりあえず黙る。
「寝室見せてもらっても?」
「ダメ。」
「え〜。」
「寝室以外なら見ていいよ。つか、先に昼飯食え。」
「もうできてるんですか?!さすが城崎さん〜♪」
料理に釣られ、ちゅんちゅんはまっすぐリビングへ向かっていった。
城崎は俺の腰に手を当て、リビングへ誘導する。
振り返ると、涼真が苦笑してついてきていた。
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