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第481話
「美味っ!!めちゃくちゃ美味いっす!望月さん、いつもこんな美味い料理食ってるんですか?!」
「うん。」
「いいなぁ〜。俺の彼女、料理の方はてんでダメで。まぁ別に、料理ができないのはいいんですけどね。俺が作ればいいだけだし。」
まぁ最近は主夫という言葉があるくらい、男が家事をするのは珍しいことではない。
時々まだ古典的な考え方の人もいるけど。
俺の周りの人は、そういう意味では現代的な考えの人が多い方かも。
「ちゅんちゅんも料理するんだ?」
「こんな美味くは作れないし、アレンジとかはまだ難しいっすけど。でもやっぱり人の手料理食べるのっていいっすよねぇ〜…。」
「うん。幸せだよ。」
「わぁ〜〜!!望月さんが惚気 てる〜!!!」
惚気たつもりはなくて、本当に無意識で言ってた。
指摘されるとたしかにそう捉えられてもおかしくなくて、俺はぶわっと顔を赤くする。
「先輩、俺も幸せですよ♡」
「うぁっ…?!」
体をひっくりかえされて、ぎゅぅっと抱きしめられて、変な声が出る。
多分城崎のことだから、俺の赤面してるところを他の人に見せたくないって理由だと思うけど。
でも、ちょっといつもより力強い。苦しい。
「おい、城崎。綾人のこと離してやれよ。」
「何でですか?柳津さんも恥ずかしがってる先輩見たいんですか?ダメです。見せません。」
「ちげぇよ。そのままじゃ綾人窒息すんぞ。」
「え?」
涼真に離してやれと言われてイラッとしたのか、俺を抱きしめる力も強くなり、顔が城崎の胸に埋まった。
息ができなくて城崎の背中をバンバンと叩くと、城崎ははっとした顔で俺を抱きしめる手を緩めた。
「先輩っ!ごめんなさいっ!大丈夫?!」
「ふっ…、あははっ!大丈夫…、ふふっ。ちょっと苦しかったけど。」
「もう!柳津さんのせいですから!!」
「何で俺??」
城崎は涼真に八つ当たりして、次は優しく俺を抱きしめた。
人前とは言っても、俺と城崎のことを知っている二人の前だ。
少しくらい甘えてもいいかな?
なんて思って、抱きしめ返してみると、城崎はびっくりしたような顔をした後、心底嬉しそうな顔をした。
「ちょっと。堂々といちゃつかないでくださいよ。」
「なんで?俺と先輩の家なんだから口出すなよ。」
「もぉー!なんか俺たちまで照れ臭くなっちゃうじゃないですか!ほら、俺ホームパーティ気分でボードゲーム持ってきたんです!遊びましょう!!」
昼飯を食い終わった後は、こたつでのんびり、ちゅんちゅんが持ってきたボードゲームをすることにした。
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