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第494話

「うめぇ〜!!やっぱりビールは最高だなぁ〜!」 「美味しいですね。」 酒屋で地ビールを飲む。 風呂上がりに飲めたら最高なのになぁ。 さっきのじゃこカツをつまみにしても美味そうだなぁ。 久々のビールに感動していると、店主のおじさんがにこにこして近寄ってきた。 「お兄さん達、いける口?」 「はい!いけます!」 「ちょっと、先輩…。」 話しかけられ、俺はご機嫌に返事する。 だって美味いんだもん。 城崎は怒ってるけど。 「すみません。この人はお酒好きなんですけど、量は飲めないんですよ。」 「ちょ…!余計なこと言うなよ!!」 「自分の限度くらい理解してください。」 「してるってば!一杯しか飲んでねーだろ!?」 「ペースが速いんですよ。」 言い合いしてると、それをみておじさんはけらけら笑っている。 「仲良いねぇ。」 「どこをどう見て?!」 「喧嘩するほど仲がいいっつーだろ?ははっ!笑った笑った!」 「痴話喧嘩ですから大正解ですね。」 「ちょっと!!城崎!!」 城崎はおじさんに見せつけるように俺を抱きしめ、こめかみにキスを落とす。 焦って城崎から離れ、バシバシ叩くと、おじさんがそれを見てまた吹き出していた。 「あーおもしろ。君たちはお付き合いしてるの?」 「はい。」 「おい!城崎!!」 「最近人気だよね。なんだっけ?かみさんが好きなんだよ。えーっと……、そうだ、びーえる?ってやつ??」 「まぁそれは商業的なアレで、俺たちは純愛です。」 城崎が俺の肩を抱いて真面目な顔してそんなこと言うから、俺も思わず緊張して口を閉じた。 ここ来てから地元の人に関係性暴露しすぎじゃね? 大丈夫なのか? 「そういえば、お兄さん達、風呂はまだ?」 「はい。ホテルに戻ってから入る予定です。」 「じゃあこれやるよ。地ビール。あと隣でかみさんがじゃこ天売ってるから、もしよかったらつまみに買って帰ってやってくれ。」 「え。じゃこカツはさっき食べたんですけど、じゃこ天もあるんですか?」 「おう。美味いよ〜。」 「是非買って帰らせていただきます。地ビール、ご馳走様でした!」 おじさんに挨拶し店を出てすぐ隣、いい匂いがして寄ってみる。 じゃこ天売ってますって書いてあるから、きっとこれだ。 「すみません。じゃこ天4つ。」 「はいはーい。あら♡お兄さん達イケメンねぇ〜。」 おばさんに声をかけると、おばさんは俺たちの顔を見て、にっこりと嬉しそうだ。 「奥さん、隣に旦那さんいらっしゃるでしょ。」 「え!なんで知ってるの?」 「今、そこの地ビール飲んできたところなんですよ。じゃこ天美味しいって聞いたので、寄ってみました。」 そう言うと、おばさんは目を光らせて興味津々に立ち上がった。 「え!じゃああなた達がカップルの?!」 「へ?」 「旦那から連絡きてたのよ!ついさっき!きゃー♡初めて現実の男の子カップル拝んじゃった〜♡おまけしてあげる♡」 カップルサービスとでも呼ぶべきか? おまけしてもらった分含め、じゃこ天6個を紙袋に入れ、ホテルへ戻る。 ロビーでみかんジュースを飲んでから、エレベーターで上に上がり部屋に入った。

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