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第495話
部屋に入った瞬間、また蕩けるようなキスをする。
地ビールやじゃこ天を入れた紙袋を落としそうになって、城崎がそれを支えて静かに床に置く。
空いた俺の手を壁に縫い付け、キスはどんどん深くなっていった。
「先輩、すげーエロい…。早く脱がせたい…。」
「………風呂、入る…?」
「入りたいけど、もう夕食きちゃいますから…。残念だけど、またあとでゆっくり、ね?」
少し乱れた浴衣を整えられ、座敷に座る。
城崎はちょうどきた電話を受け、夕食を持ってきてほしいことを伝えていた。
「ビール、冷やしときますね。」
「うん。ありがと。」
「お風呂上がり、飲みたいですよね…?」
「まぁ…、うん。」
多分城崎は、風呂上がりそのままセックスしたいんだと思う。
もちろん俺だってしたいけど、でも風呂上がりのビールなんて久しく飲んでいないから譲れない。
どうするべきか悩んでいると、城崎は俺を抱き寄せて、耳元で囁いた。
「ビール飲んだあとは、いい…?」
「ん…、うん…。」
「好き。先輩、大好き。」
「俺も…。好きだよ、城崎…、んっ」
ヤバい。
このままめちゃくちゃにしてほしいと思ってしまう自分がいる。
だってこんなにエロいキスされたら無理…。
城崎を誘惑するように、わざと少し胸元が見えるように浴衣を緩める。
思惑通り、城崎の目線は俺の胸元へ釘付けられた。
「先輩…、見えてる…から……」
「うん。わざと。」
「ちょ…、先輩っ…!?」
「城崎っ…、ぁ…んン♡」
明らかに興奮してる城崎にキスして、キスしたまま畳に押し倒す。
グイグイと昂った自身を押し付けると、布越しにでも城崎のと擦れて気持ちいい。
「先輩っ…、ぅ…ダメ…!夕食来ちゃう…からっ…!」
「城崎…、城崎っ…」
興奮で呼吸が荒くなる。
腰を揺らして快感を求めると、城崎は快感に耐えながら机に手を伸ばし、ティッシュを取って俺の先端を包んだ。
「先輩…っ!」
「あっっ…♡♡」
数回上下に扱かれただけで、パンパンだった俺の中心は城崎の手の中で呆気なく弾けた。
城崎は深呼吸して興奮を鎮め、俺の衣服を整えて机の前に座らせる。
「おまえはいいのかよ…?」
「あとで先輩にたくさん気持ちよくしてもらうから、いいんです。」
「あっそ…。」
「もう。照れちゃって。」
「……うるせー。」
揶揄われた俺が小声で反抗すると、城崎はくすくす笑っていた。
しばらくすると、部屋のノックとともに夕食が運ばれてきた。
小さい一人用鍋に入った出汁に鯛の刺身をくぐらせて鯛しゃぶにしたり、あとは鯛めしやすき焼きなど、豪勢な食事コースを楽しんだ。
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