496 / 1069

第496話

「ふぅ〜。食った食った!」 「美味しかったですね。」 夕食を完食し、布団も敷いてもらった。 間隔をあけて敷かれている布団を、城崎はぴったりと隙間なくくっつける。 「城崎と布団で寝るの初めてじゃないか?今までベッドだったし。」 「そうですね。先輩の腰痛めないように気をつけます。」 「はぁっ?!」 城崎が当たり前のようにそんなことを言うから、俺は思わず障子に隠れた。 どんだけ激しくするつもりだよ!? 怯える俺を見て、城崎はくすくす笑った。 「先輩、優しくするから。」 「当たり前だろ!」 「だから、おいで?」 「…っ」 城崎は布団の上に胡座をかいて座っていて、自分の足をポンポンと叩く。 上に乗れってことなのだろうか? 優しい声で誘われたら、つい従ってしまう。 城崎にまたがるように座って、おずおずと首に手を回す。 「先輩、可愛い。」 「…………」 「少しだけ、触っていい?」 「………いいよ。」 何度も耳元でリップ音を鳴らされ、甘い声で囁かれる。 俺が許可を出すと、城崎の手がそっと(えり)合わせから中に入ってきた。 「んっ…、ん、ぁ…っん…」 「気持ちいい?」 「き…もちぃ…っ、ぁっ…、あっぁ♡」 乳首を起てられ、クリクリと捏ねられているだけなのに、身体がビクビク震えて、声が止まらない。 食事前に一度出したばかりの中心は、もう既に硬度を持ち、もたげ始めていた。 「先輩の身体、すぐに感じちゃうから、俺不安なんですけど。」 「ぁっ…ん、誰のせいで…っ!」 「うん。俺ですね。」 「あぁっ♡♡」 爪で思いっきり乳首を抓られて、呆気なくイッてしまった。 脱力していると、城崎は満足そうに俺の頭頂部に幾度となくキスを落とす。 「城崎……、風呂は…?」 「入ります。でも前のヴィラと違って、隣の部屋も部屋付き露天風呂だから、声出したらバレちゃいますよ?俺このままお預けなんて無理だし。声、我慢できますか?」 「する…。我慢するから…。」 「じゃあ入りましょうか。」 城崎は俺を抱き上げて、風呂の方へ向かった。 外へ続く襖の手前で下ろされ、シュルシュルと腰紐を解かれて、はらりと浴衣が床に落ちる。 「綺麗。」 「バカ……。そんなジロジロ見んな…。」 「見るなって、そんな酷なことあります?」 月明かりに照らされる俺の裸体を、城崎が見つめているのがわかって目を下に逸らす。 城崎は困ったように笑いながら、自らも浴衣を脱いで俺の手を握った。 「行こっか?」 「ん…。」 襖をあけて、外に出た。

ともだちにシェアしよう!