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第499話
収縮していたそこに、突然捩じ込まれるのは初めてかもしれない。
浅い呼吸を繰り返していると、城崎が俺を抱き上げて背中をゆっくりと撫でた。
「先輩、深呼吸してください…。ごめんなさい、俺耐えらんなくて…っ」
「ん…、大丈夫…だよ…?」
「中すげぇ痙攣してる…。痛くなかった?ごめんね、先輩…。」
「謝んなよ。俺が煽ったんだから。」
いつも宝石を扱うみたいに優しくするのに、こんな切羽詰まってるのは相当我慢できなかったかららしい。
久々にケツが切れた感覚。
痛いけど幸せなのは、もう俺の感覚が麻痺してるのかもしれない。
「城崎、気持ちい?」
「はいっ…。めちゃくちゃ気持ちいいですっ…」
「俺も。すげーイイよ。」
そう伝えると、城崎は再び俺を押し倒し、ゆっくりと抽挿 を始めた。
風呂上がりの熱気と興奮で、城崎の額から汗がぽたりと垂れる。
やらしい。
汗かいてる城崎、色気すげぇな…。
首に手を回して引き寄せると、城崎は苦笑した。
「俺が焦ってる時って、先輩余裕ありますよね…。俺が先輩のこと抱いてるはずなのに…、なんだか悔しい。」
「ぷっ…、なんだよ、それ?」
「先輩が歳上なんだなぁって…。大人の余裕っていうんですか?俺がガキみたいで恥ずかしいっていうか…。」
「いいじゃん。たまにこうやって、切羽詰まってる城崎、俺は好きだよ?」
「本当に…?」
城崎は恥ずかしそうに目を逸らす。
20を超えた大人。
でもこうやって血気盛んなガキみたいに俺のこと求めてくるのってつまりさ…?
「俺のことで頭いっぱいになってくれてるってことだろ?」
それってすげー幸せなことじゃねぇ?
城崎はその通りだと言わんばかりに、俺のことを強く抱きしめた。
「今だけじゃなくて、ずっと先輩のことしか頭にないよ…。」
「ぷふっ…、それじゃ仕事集中できないな?」
「うん。できない。ずっと先輩のこと目で追いかけて、先輩の口が動くたびに、何話してるのかなって気になるし、早く先輩と二人きりになりたくて時計何回も見直して…。」
「そんなに?」
「好きで好きで堪んない。誰かに対してこんな気持ちになったことないから、全部初めて感じる気持ちで、時々不安になる。俺の気持ち重すぎないかな、先輩はどう思ってるのかなって。」
城崎は不安そうな目で俺を見つめる。
可愛いな…。
不安にならなくていいのに。
俺も城崎が好きで好きで仕方ねぇのにな。
「愛してるよ、城崎。」
「…っ」
「心から愛してる。何回だって伝えるから、不安になんて思うなよ。」
「先輩…っ」
「てか、俺の方が不安だし。城崎めちゃくちゃモテるし、仕事も家事もできて、顔も良いしセックスも上手いし。」
「先輩以外にはしないですよ?」
「うん。しちゃダメ。」
甘えるように抱き寄せてキスすると、城崎は主導権を俺から奪い取って、角度を変えて何度も何度もキスをくり返した。
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