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第512話
バレンタイン計画を立てて早4日。
今日から3連休。
チョコを渡すのはバレンタインデー当日でいいとして、作るのは連休最終日の13日くらいに決行できたらと思っていた。
今日と明日は、城崎とのんびり家で過ごしたいなって思ってたはずなのに…。
「じゃあ、行ってきます。戸締まり、必ずしてくださいね?」
「わかったって。いってらっしゃい。頑張って。」
「うん。夜には帰ります♡」
城崎はいってきますのキスをして、家から出て行った。
ツラい……。
あの日から城崎は毎日のようにO社へ出向いている。
職場で会えないどころか、日が経つに連れ帰ってくるのは遅くなり、昨日は頑張って待とうと思ってたのに、俺は疲れてリビングで寝てしまったらしい。
休日まで出勤なんて…。
「早く帰ってきてよ……。」
すでに閉まっているドアに向かって話しかける。
3日間ろくに触れ合えていなかったから、城崎が足りない。
だからと言って、城崎の仕事に対する集中力を切らしたくもない。
もし今俺が城崎に連絡したら、きっと俺を優先してしまうだろうから。
「はぁ……。何もやる気起きねぇ……。」
とりあえず洗濯物を干そうかと洗面所に向かうと、洗濯機の中には空っぽだった。
城崎、昨日も遅かったのに、朝から洗濯干してくれたんだ…。
俺のこと、本当に負担になってないのかな…。
俺と同棲することで、城崎に負担がかかるのは嫌だ。
だからって、今更城崎と離れて暮らせなんて無理な話だけど。
家事については、もう一度ちゃんと話し合わなきゃな…。
「あれ?干し忘れ…?」
洗濯機の近くに城崎のシャツが落ちていた。
顔に近づけて嗅いでみると、洗剤の匂いじゃなくて、城崎の匂いがした。
干し忘れじゃなくて、昨日着てたまだ洗濯していないシャツだ。
あー…、やばいかも……。
「ん……ふ…」
城崎に触れたくて仕方ない今の俺にとって、城崎の匂いが染みついたこのシャツの存在は毒だった。
城崎がいつも付けている香水の匂いが微かにして、少し汗の匂いなんかも混じってる。
俺はシャツを握り締めながらベッドに横になり、自然とズボンの中に手を伸ばして先っぽを弄っていた。
「城崎…、っ……、城崎ッ、城崎……っ♡」
もちろん返事なんてなくて、ただ一人で慰めるだけの虚しい行為。
でも匂いのおかげか、本当に城崎にされてるみたいに想像できて、腰がガクガク震えた。
城崎に会いたくて仕方ない。
いや、会えてはいるんだけど、もっと触れたいというか…。
俺が寝てたら起こしてくれてもいいから、城崎で満たしてほしいのに。
「今日は絶対……。」
絶対抱きしめてもらう。
あわよくばエッチもしたい…。
そのためにまずは帰宅後の城崎の仕事を減らさないと。
俺の欲求を満たし、なおかつ城崎にも楽してもらえるよう計画を練って、俺は早速実行することにした。
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