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第515話
俺が煽ったから、そんなこと気にしなくていいのに。
でも、こういうときも俺のために理性的でいてくれる城崎のこと、本当に好きだ。
「やめろって言ってもやめないのはいつもだろ。それに、本気でやめてほしいって思ったことなんかない。」
「先輩…」
「俺の全部、城崎になら許してるから。城崎も俺もお互いが満足するまで、いっぱいにして…。」
抱き寄せてキスすると、城崎の硬いのが腹にグッと当たる。
顔を真っ赤にしていると、城崎に腕を引かれてお風呂場に足を踏み入れた。
「理性ぶっ飛ばしてめちゃくちゃに抱きたいですけど、お風呂はリラックスして入りましょう…。」
「いいけど……。プフッ、お前が言うのかよ、それ?」
「下半身は興奮してますけど、一応頭は今落ち着いてるんで…。」
バッキバキに勃てながら言うから、吹き出すように笑ってしまった。
身体と髪を洗い、湯船に浸かる。
城崎の上に座って、城崎に背中を預けるようにもたれかかる。
リラックスって、こういうことでいいのかな…?
「こうやってゆっくりするの、久々に感じますね。」
「本当にな。一週間お疲れ様。」
「厳密には一週間も経ってないですけどね…。これからもう少し続くと思うと憂鬱です…。」
「まだ続くの?」
「あー、今回は契約結ぶとこまでじゃなくて、企画の方まで入って欲しいらしくて…。まぁでも、来週は一旦通常業務に戻ります。再来週からまた忙しくなるかも。」
「そっか…。仕方ないよな…。」
城崎は困ったように笑いながら俺の髪を撫でた。
寂しいのは俺だけじゃなくて、城崎もだ。
それに、こうやって忙しくなっても、一瞬だけでも顔を合わせられるのが同棲のメリットだと思う。
もし同棲してなかったら、城崎が忙しくなったときに会えなかったかもだし…。
「年度末には大体片付くと思うんで、終わったら休みとって、日帰りで少し遠出とかしませんか?」
「する…。」
「行きたいところ考えててくださいね?先輩の行きたいところ、一緒に行きたいです。」
「ん。わかった。」
しばらくこの生活が続くのかと思うと、やっぱり寂しいけど、でも終わった時のご褒美があるなら頑張れる。
どこ連れて行ってもらおうかな…?
運転してる城崎が見たいけど、でも大きな仕事が終わって疲れてる城崎に長距離運転させるのもな…とか色々考えてしまう。
「先輩、どこ行くか考えるのはいつでもいいから、そろそろお風呂上がりませんか?」
「えっ…、あ、う、うんっ…!」
上がるって、そういうことだよな?
現に城崎は少し顔を赤くして……、あー、もしかして、俺待たせてた?
俺もすげーしたかったの、ちゃんと伝わってるかな?
「城崎、……その……、ベッド行こ?」
「当たり前です!」
風呂場から上がるなり、バスタオルで包まれて、俺は寝室に連行された。
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