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第567話
お臍から下腹部にかけて、白い液体が垂れる。
「あったかい…」
「満足?」
「ん…。」
ご希望通り城崎の精液をかけられた俺は、わかりやすくご機嫌だった。
またシャワー浴びなきゃだけど、全然いい。
「あとちょっと休んだら帰ろっか?」
「えー…?」
「俺も帰りたくないですけど、もう23時だし。しかも明日主任の送別会でしょ?」
「ん〜…、わかった。」
城崎に抱きしめられながら、ぶつぶつ文句を言った。
文句を言ったところで、明日の仕事がなくなるわけでもないけど。
「先輩、また今度SMしたいですか?」
「やだ…。」
「だって今日めちゃくちゃ感じてたじゃないですか。すげー可愛かった。潮吹きも上手でしたよ?」
城崎の目が細く弧を描く。
思い出すだけで顔が熱い。
あのときはすごく感じやすかった。
いつもの何倍も興奮してて、だから…。
「うるさいっ…!あれは薬のせいだから…!!」
「あー…、そのことなんですけどね……」
城崎は言いづらそうに言葉に詰まった。
言うか言わまいか迷っているように見える。
「何だよ…?」
「あれ、ただのラムネ菓子です…。」
「え…?」
城崎は鞄の中からラムネ菓子のパッケージを取り出し、シャカシャカと振って見せた。
え、ちょっと待って。
「ちょっと待って…!?」
「ははは〜…。薬じゃないんですよね、さっきの…。」
「へ?待って?待って……??」
「プラシーボ効果ってやつ?予想以上に先輩効いちゃったから、言うに言えなくて…。あはは。」
「〜〜〜?!!///」
嘘だろ?!!
死ぬ!!恥ずかしくて死ぬ!!!
じゃあ何?俺はラムネ菓子を媚薬だと勘違いして喘ぎまくってたってこと?!
「先輩、可愛かったですよ?」
「うるさい!!マジで話しかけんな!!」
「ちょっと〜、せんぱーい…。ごめんなさい…、悪気はなかったんですよ…?」
「頼むから見ないで…。」
初めて潮吹きしたときと同じくらいの羞恥心に襲われている。
無理だ。本当に無理。
薬のせいだとあんなに乱れておいて、今更どんな顔すりゃいいんだよ?
「今度本物の媚薬使う?」
「そういうことじゃない!!」
「もぉ〜。ごめんなさいってば…。」
結局恥ずかしくて布団から出られなくて、帰ったのは俺が寝落ちてからの深夜未明だった。
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