581 / 1069

第581話

こいつは新生児…、なのか……? 「城崎…、いつまで吸うの…?」 「ん〜…、もうちょっと。」 「もうちょっとって言ってから、何時間経ったと思う?」 「知らない。」 家に帰って飯も食わずに3時間。 ずっと俺の乳首に吸い付いてるこの大男は、もしかしたら生まれたての赤ちゃんなのかもしれない。 「絶対に週末で戻らないと思う。城崎のせいで。」 「先輩、感度悪くなってない?」 「ずっと吸われて麻痺ってきたんだよ…。もう声もガラガラ…。」 最初の1時間半くらい、喘いで、イッて、その繰り返し。 感じすぎて涙出たし、でも乳首吸われて力の抜けた俺が抵抗したところで、暴走赤ちゃんが止まるはずもなかった。 喘ぎすぎて声は枯れてるし、イキすぎて疲れたし、もう出るものはないし、触られすぎてもう触られてるのかすらわかんない。 ずっとピリピリしてる感じするし、なんなら少し痛い。 「このまま治んないかもな…。」 「え、やだ。先輩の陥没乳首、すげー可愛くて興奮するのに。」 「俺はもう引っ込む気がしねぇよ…。」 城崎は名残惜しそうに乳首にキスして、やっと唇を離した。 あー…、すご……。 ずっと吸い付いていたから、吸い付いた痕、つまりキスマークみたいなのが、乳輪より広く、赤黒くくっきりと残っていた。 乳首は相変わらず、ピンッと元気にそそり立っている。 「先輩っ♡ご飯食べて、お風呂入って、えっちする?」 「できると思うか?」 「はい♡」 「無理。ご飯食って、風呂入って、俺は寝る。」 「えぇ?!」 「もうさすがに疲れた。俺今日何回イッたと思ってんだよ…。」 城崎は「そんなぁ…。」と泣きそうになりながら、とりあえず夕食を作り始めた。 たくさん不安にさせた分、今日はたっぷり甘えさせてあげようと思ってたけど、さすがに俺は絶倫ではないので、もう体力も含めて色々限界だ。 「スタミナ料理作ったらできますか…?」 「いや、無理。」 「………精力剤。」 「無理。そういう問題じゃねえ。」 城崎もなんだか諦め悪く、いろいろ案を出してくる。 別に俺だって、城崎が嫌なわけじゃない。 疲れたってだけで…。 「キスとハグはいくらでもしていいよ。」 「えっ…?」 「セックスするスタミナはねぇけど、キスとハグはむしろ回復するっていうか…。癒されるっていうか…。」 「先輩…っ!大好き!!」 「うわぁっ?!」 ソファで夕食を待つ俺に、城崎は飛びついてキスをした。 あぁ、可愛いな…。 太腿に、すげーゴリゴリ当たってるけど…。 「大好き…♡」 「俺も大好きだよ。すげー好き…、んっ」 せっかく人が愛の告白してるって言うのに、舌をねじ込んできた。 ま、いいんだけど。 キスに夢中になってたら、焦げ臭い匂いが漂ってきて、城崎は慌ててキッチンに戻っていった。 少し焦げた苦い夕食を食べて、一緒にお風呂に入って、何度もキスを繰り返して、俺は疲れ果てて寝てしまった。

ともだちにシェアしよう!