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第590話
次の日、体を揺らされ起こされる。
「先輩、起きて。仕事行きますよ。」
「ん〜……、もうちょっとだけ…」
微かに目を開けただけで眩しくて、隠れるように城崎に抱きつくと、城崎は黙って俺を抱きしめた。
城崎も仕事より俺とこうしてる方が好きなの知ってるから。
分かっててやってる俺って、ダメな社会人だよなぁ。
「一緒にズル休みしちゃいますか…?」
「したいけど……。だめ…。」
「…………」
城崎の顔を見上げると、不満げな顔をしてる。
おそらく俺が起きるのを渋ったことで、城崎は仕事行きたくないモードになってしまったからだ。
城崎からすれば、誘われたのにそれに乗ったら断られた、みたいな感じなんだと思う。
「仕事行きたくない…。」
「じゃあ一人で休む?」
「やだ…。」
さっきとは立場が逆転し、城崎が駄々っ子になってしまった。
かわいい。
頭を撫でていると、上目遣いに見つめられる。
「触っていい?」
「どこを?」
「おしり。」
「んー…、まぁいいよ。」
こんな格好してるしな。
どんな格好かというと、裸に城崎のTシャツ。
背中に回された城崎の手が降りてきて、俺の尻に触れる。
「んっ…」
「柔らかい…。先輩、もうちょっと太ろ?」
「やだ…。んっ…ゃ…」
「声可愛い。………シちゃ駄目?」
「ダメ…。」
城崎の指が何度も穴を掠め、声が漏れる。
ここで流されちゃダメだ。
主任になって早々ズル休みなんて…。
「お願い…。先輩…、ダメ?」
「ダメってば…」
「だって先輩のココ、ヒクヒクしてる…。」
「生理現象だから…っ。もうおしまい…!」
ぐいっと城崎の肩を押すと、城崎は残念そうに手を離した。
代わりにいっぱいおはようのキスをする。
「お預けのご褒美、何ありますか?」
「夜…、触っていいよ。」
「えー、それだけ?」
「何したいんだよ。逆に聞くけど。」
「久々にエッチな下着着た先輩が見たいなぁ。クリスマス着てくれたやつ♡」
「…っ///」
思わぬお願いに、俺は顔を赤くしてリビングに逃げた。
そのあと城崎に何度もしつこくお願いされ、好きな人のお願いを断ることができず、夜は例のレースのボクサーパンツを履いて、いつも以上に熱烈な夜を過ごした。
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