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第610話

ホテルの個室に入ってすぐ、貪りあうようなキスをした。 お腹にグリグリと硬いソレが押し付けられて、思わず変な声が出る。 「先輩…、シャワー後でいい…っ?」 「ん…、ぅっ……」 城崎の息が乱れてて、無意識に腰を揺らしている。 きっと、堪らなく俺と繋がりたいんだと思う。 そして、その気持ちは俺も同じだった。 汗を流したい気持ちもあるけど、今はそんなことよりも迫ってくる欲望を抑え切れなかった。 「城崎…っ、俺も…」 「先輩っ…?」 城崎から離れると、城崎は不安そうに眉を顰めて俺をみた。 ダメだから離れたんじゃなくて、シたいから離れたんだけど…。 それはすぐに伝わると思う。 ズボンを下ろしてベッドに手をつき、城崎にお尻を向ける。 突き出すようなその姿勢は、とても恥ずかしい。 「先輩、好き…っ、挿れるよ…っ?」 「ふっ…ぁ…あぁっ」 「先輩…っ」 「ひっ…!ぁっあ♡イクッ!!」 「早い。ダメ。」 「あっあぁ♡ゃ…あっ」 射精しそうになった瞬間、根本をギュッと握られて欲望を()き止められる。 熱が溜まるような、逆流するような違和感に体が熱くなる。 「イキたいっ…!城崎っ、城崎…っ!」 「だーめ。先輩イッたらすぐ疲れちゃうでしょ?」 「ひぅっ…」 「ドライならいいよ?いっぱい気持ち良くなれるでしょ?」 難しいことをいう。 俺はどっちでイクかなんて、そんな管理できるほど器用じゃないのに。 「イキたいぃ…。城崎……っ」 「ん〜?」 「お願い…っ、ぁっああっ♡イクッ!!」 目に涙を溜めながら懇願すると、城崎はニコニコしながらも俺のちんこから手を離さず、思い切り中を擦った。 快感で頭が真っ白になって、ビクビクっと体が震える。 今イッた。 城崎の言う"ドライ"で。 「上手。気持ちよかった?」 「………ぅん。」 「じゃあいっぱい気持ちよくなろっか?」 「ふぇ…?ひぁっ、あっあ♡」 「好きだよ、先輩♡」 一度メスイキをすると身体が慣れてしまうのか、その後何度もドライでイカされて、気づいた頃には日を跨いで終電の時刻はとうに過ぎていた。

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