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第617話
「あまり弄っちゃうと、また腫れが引かなくなるからここまでにしておきますね?」
城崎は愛おしそうに俺の乳首にキスして、次は臍の方へと唇を滑らせていく。
擽ったくて、ビクンッと体を揺らす。
「汚いから舐めんな…っ」
「先輩の身体に汚いところなんてありませんよ。」
「…っ」
臍の窪みに舌を入れられて、ゾクゾクした快感を感じると同時に、申し訳なくなる。
臍の穴なんてしょっちゅう掃除するわけでもないし、絶対汚いのに…。
「城崎…っ、ダメってば…!」
「何で?」
「ほ…、ほんとにっ…、汚い…からぁ!」
「大丈夫。前に先輩が寝てる間に綺麗にしたから。」
「?!!」
いつの話?!
俺が驚いた顔をしてるのを見て、何を言いたいか察したらしい。
「朝起きたら腋毛 なくなってたでしょ?あの日についでに綺麗にしときました♪」
城崎の言葉に思い出す。
ちょうど一週間前くらい、朝起きたら腋がツンツルテンになっていた。
犯人は分かっているし、もう日常過ぎて、その時はあえて何もツッコまなかったけど…。
「お、おまえなぁ…!人の許可もなく勝手に色んなところ、毛ぇ剃るんじゃねぇよ!!」
「ふーん?でも先輩、朝起きて鏡見ながら俺の剃ったところ撫でてたの、俺知ってますよ?下の毛剃った時もいつも触ってますよね。」
「?!!?!」
「満足そうな顔して、頬赤らめながら撫で……ムグッ!」
「それ以上言うな!!」
体毛を剃るのは、城崎の独占欲の表れ。
俺が他人に裸を見せないようにするために始めたことだからだ。
だから、城崎が俺のこと独り占めしたいんだなって、ずっとそう思ってくれてるのが嬉しくて、あの日はなんかそういう気分で撫でちゃったんだけども…!!
何で見られてるかなぁ?俺のバカ。
「先輩♡死ぬほど可愛い♡」
「…………」
「ここ剃ると、触った時にいつも以上に反応良いよね、先輩?」
「…っ、やめ…」
「やめないよ?可愛いもん。あー、あの時、下も剃ればよかったかな。伸びてきてる。」
城崎はズボンのウエスト部分から手を入れ、下着の中にまで手を突っ込む。
さっきイッてぐちょぐちょだから恥ずかしい。
城崎の指が敏感なところばかりを掠めて、俺は体をビクビク震わせた。
「先輩…」
「…っ、な、に……?」
「頭のてっぺんから足の先まで全部、俺が独り占めしたい。先輩の全部、俺のものになればいいのにって思ってる…。わがままな恋人でごめんなさい。」
恥ずかしげもなく独占欲を吐露する城崎。
下を弄るのをやめて、指に絡んだ俺の精液を舐めとる。
城崎がすると、下品なはずの行為が、あまりにもエロい仕草にしか見えなかった。
俺がじっと見つめてることに気づき、愛おしそうに俺を抱きしめる。
抱きしめる力強さから、さっきのも本気で言ってるって伝わってきた。
「……いいじゃん、わがままでも。」
「へ?」
「俺の全部、城崎のものにして。」
自ら恥ずかしいセリフを言って、城崎にキスする。
城崎は今日イチの笑顔になって、俺を抱きしめて、またキスをした。
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