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第620話
繋がりながら30日を迎える。
「先輩、2年目もよろしくお願いします♡」
「ん…、こちらこそ…っ、あっ、あ♡」
お互い達して、抱きしめ合いながら呼吸を整える。
昼あれほどシたのに、城崎は記念日を迎える時に繋がっていたいと言い出して、物理的に繋がったまま、付き合って1年記念日を迎えた。
俺は記念日迎えて、第一声が喘ぎ声なんて嫌だったんだけど!!
「バカ…。」
「ごめんなさい。だって1年ですよ?感慨深くないですか?」
城崎は俺に頬擦りしながらそう言った。
そりゃあもちろん嬉しいけど…。
愛されてるって感じもするし。
「まぁこれから10年も20年も、なんなら50年先だって記念日迎えるつもりですけど。」
「言っとくけど、50年先はエッチなんかできないからな…。」
「えっ!?」
「当たり前だろ。80になって記念日セックスしてたらやべーだろうが。」
「俺は全然アリなんですけどね〜。」
こいつの性欲は何年先まであるんだよ。
と、心の中でツッコむ。
「あ、そうだ。」
「何?」
「前に先輩、俺の部屋でアルバム見つけたでしょ?あれ1年記念日に振り返ろうって話してたじゃないですか。」
「あぁ…。」
「取ってきます!待っててください!」
たしかにそんなこと言ってた気もする。
2冊あって、1冊は俺の隠し撮りばっかりの片想い拗らせ写真集みたいなやつで、もう1冊が俺と付き合ってからのアルバムだったっけ?
「お待たせしました!」
「うわっ、重っ!」
ベッドにドスンっとアルバムが置かれる。
結構な重量に思わずそうツッコんでしまった。
「あれから先輩もたくさん写真撮ってくれたから、収まりきらなくて…。」
城崎はもう一冊アルバムを持ってくる。
いつのまに2冊目に突入してたんだよ。
「にしても多くないか?よく作ったな。」
「だって俺、これ見返して元気もらってるから。」
「へぇ〜…。」
「もちろん目の前に生の先輩がいるんですから、先輩に一番元気もらってますよ?!」
城崎が慌ててそういうものだから、自分の態度を見返す。
え。俺、写真に嫉妬してた?
マジかよ…。やべぇ奴じゃん……。
「俺ね、このページがお気に入りなんです。マジで癒されますよ?」
「ちょっ…、捨てろ!!」
「絶対嫌です!」
城崎が開いたページには、俺の寝顔がたくさん収められていた。
口開けて寝てる写真や、寝癖やばい写真、寝ながら城崎に引っ付いてる写真とか…。
「旅行の写真は?」
「えっとね、これが伊豆で、こっちが沖縄、あとこのページが愛媛で、こっちは横浜デート。あとあと、これがクリスマスのときので、こっちはライブの時の写真で〜。」
「一気に言うなって。うわ、懐かし。これ全部1年経ってないんだよな。」
「1冊で収まるわけないですよね〜。」
城崎は嬉しそうに笑いながら、ページをパラパラ捲っていた。
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