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第621話

城崎とベッドで横並びに寝転びながら、一緒にページを捲る。 本当、1年間色々あったし、思い出がいっぱいだ。 「城崎にしては健全なアルバムだな。」 「あ。それ言います?」 「?」 「ちゃーんと先輩グラビアは別にしてますよ♡」 「へ?」 城崎は少し小さめのアルバムを持ってきた。 赤い表紙のアルバム。 捲ると肌色多めの俺の写真がびっしり…。 「これは正常位で奥突いた時の感じまくってる先輩で〜、これは立ちバックで先輩の背中があまりにもエロいから撮っちゃったやつで〜、これは自慰してる先輩、こっちはクリスマスプレゼントにエロ〜い下着付けてくれてる先輩で〜、これはもこもこパジャマの先輩、ハロウィンでコスプレしてる先輩と〜、乳首に鈴クリップ付けて喘ぎまくってる先輩〜、あとは〜…」 「もういいって!!やめて!!」 何これ?!! 何これ?!!!!?! 「捨てろ!!」 「絶ッッッッ対嫌です。」 「大体こんなのいつ撮ったんだよ!?」 こいつの目にはカメラでも内蔵されてんのか?! 撮られた記憶がなさ過ぎて、マジで怖いんだけど。 「先輩目ぇ瞑って感じまくってる時、俺が何してるか知らなかったでしょ。」 「マジで言ってる…?」 「この写真、ぜーんぶ先輩目ぇ瞑ってるでしょ?本当は潤んだ目で俺にもっとって求めてる先輩の写真も撮りたいんですけど…」 「変態。ドスケベ。サイコパス。バカ。アホ。」 「何言われてもこれは捨てません♡俺のオカズです♡」 「オカズいらねーだろ!どんだけヤル気だよ?!」 「先輩が出張行ってる時とか、先輩のお身体に負担かかってできない時とか?」 「じゃあ俺疲れてても頑張るから!だからそれは捨てて!!」 「嫌です。俺の癒しなんだから。」 城崎はアルバムをギューっと抱きしめて離さない。 アルバムを奪おうと飛び掛かると、城崎を押し倒すみたいな体勢になってしまった。 「先輩のえっち♡」 「ばっ…?!ちげぇよ!!」 「あ、そう言えば先輩が前に見たがってたの、ありました。」 「……?」 「モデルやってた時の切り抜き。葉月が俺の家で見つけたって。」 「えっ…!見たい!!」 昔お小遣い稼ぎ程度でやっていたという読モ。 自分では保存していないと言ってたけど、やっぱり家にあったんじゃん! 期待の眼差しで城崎を見つめていると、ニヤニヤ笑い返されて、あまりいい予感はしなかった。 「これ見せてあげる代わりに、このアルバムは捨てません♪」 「………」 「いいよね、先輩?」 俺の痴態を詰め込んだアルバムは、今すぐにでも燃やして捨ててほしい。 でも何をどうしたところで、多分城崎は捨てないし、捨てたとしてもプリントアウトすればまた出来てしまう。 それならアルバムを捨てさせるのは諦めて、めちゃくちゃ見たかった読モ時代の城崎を見る方が賢明なのでは…?と思い始めてきた。 「……わかった。アルバムはそのままでいい。」 「やったー♡じゃあこれ、あげます。」 「ありがと…。」 渋々アルバムを捨てさせるのを諦め、交換条件に城崎から数枚写真を受け取った。

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