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第642話

「綾ちゃ〜ん!いらっしゃい♡♡」 「お久しぶりです。」 「夏くん、綾ちゃん、一年記念日おめでとぉ♡」 5月5日19時。 Aquaに入ると、中はパーティー仕様に飾り付けられていて、たくさんのご馳走が並んでいた。 「麗子ママ、一人で準備してくださったんですか?」 「そうよ〜♡可愛い二人のためだもの!頑張っちゃったわぁ♡」 「ありがと。てか、先輩とイチャついてもいい?」 「もちろんよ。そのための貸切だもの♡」 城崎は四人掛けのソファに座り、俺の腕を引いて隣に座らせる。 広いソファなのに、密着するくらい近い距離で座る。 城崎を見上げると、唇が重なった。 「今日はお腹いっぱい食べましょうね。」 「うん。いただきます。」 「料理のことだけじゃないんですけど…。まぁいっか。」 「?」 城崎がボソボソ何か言ってたけど、よく聞こえなかった。 気にせずに目の前に並ぶご馳走を食べていると、麗子ママが向かいに座る。 「まさか夏くんがこんなに長く続くなんてね〜。」 「いらないこと言わないでよ。てか、一生続くから。」 「あらぁ〜♡本当に綾ちゃん一筋なのね。素敵♡」 過去の城崎の話題が上がると、少し胸がざわつく。 聞くたびに城崎は節操なしだったんだなぁ…って。 でも逆に、俺の前にもこんなに愛されてる人がいたとしたら、それはそれでキツイかも…。 俺って、城崎にとって特別な存在なんだよな…? 「なんかあった?」 「んーん。何も。」 不安な顔してたら、城崎が俺を見て優しい顔して頭を撫でてくれた。 別に何かあったわけでもないし、勝手に想像して悩んでても仕方ないもんな。 城崎にくっついていると、少し気持ちが穏やかになった。 「先輩、お酒飲む?」 「うん。いい?」 「いいですよ。麗子ママ、一番高いお酒出してよ。」 「え〜?仕方ないわねぇ。お祝いだから特別よ〜?」 麗子ママは裏へお酒をとりに行った。 城崎は俺を膝の上に乗せて、背中からぎゅーっと抱きしめる。 「あー…。先輩かわいい…。大好き。」 「……なんだよ、急に。」 「大好き大好き大好き。愛してる。」 「……っ///」 背中に頭をぐりぐりされて、子どもみたいなストレートな愛情表現に照れてしまう。 振り返るとすぐに唇が重なって、優しく押し倒された。 「んっ…、はっ…、ダメ…」 「ん〜…?いいでしょ?」 「ぅっ…、だって……」 「大丈夫。可愛がるだけだから。」 首筋にチュッチュッとキスされて、手が裾から服の中に入ってくる。 城崎の言う"可愛がる"ってどこまでだよ!? いつ麗子ママが戻ってくるかわかんないのに…。 「ね…、城崎っ…」 「麗子ママは理解あるし。空気読んでくれるでしょ。」 「あっ…♡ちょ…、やだ…っ」 「なんで?ここ好きでしょ?」 「………恥ずかしぃ…」 爪先でクリクリされた乳首は、ぴょこんと控えめに起立する。 首筋にあったはずの顔が、いつのまにか乳首の真ん前にあって、熱い息が乳首にかかるたびに身体が震えた。

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