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第749話

「先輩、土曜日は一緒に受診しましょう?」 「え……?」 城崎が真剣な声で俺に放った言葉にフリーズする。 受診…、土曜日……。 まさか……。 心療内科に通ってたこと、バレたのか…? 固まっていると、城崎は一旦俺を離して土下座した。 「先輩、丸一日眠ってて心配で、ごめんなさい。服とか色々探りました。心療内科、通ってたんですね。」 「……!!」 「勝手なことしてごめんなさい。でも俺も一緒に向き合いたいから、先生のお話も聞いてきました。もちろん先輩が先生に何を話したかまでは聞いてません。あくまで、俺がするべきことを聞いただけです。」 城崎はまた俺を抱きしめた。 一緒に向き合いたい…。 城崎が味方になってくれたら、どれほど心強いだろうか。 でも、ダメだ。 病気なんて、一緒に背負わせていいものじゃない。 「重いだろ…。」 「え?」 「城崎の重荷になりたくない。」 城崎と一緒に人生を歩みたいと思った。 でも、城崎の華々しい人生の足枷になりたくない。 俺みたいなデカい爆弾を持ってたら、城崎の人生にマイナスだろ…。 「舐めないでください。俺の愛の方が100倍は重いですよ?」 「愛じゃなくて…、病気とか…だるいだろ…。」 「重くないし、だるくない。」 「治らないかもしれないんだぞ…?」 そう。 治るかどうかわからない。 もし今回のこと全部解決しても、また突発的に発作を起こす可能性だってある。 精神的なことだから、俺の性格が変わらない限りは完治しないだろ…。 だから……。 「それって一生そばにいていいってことですか?♡」 「お、おまえなぁ!俺が真剣に…」 「俺だって真面目に言ってます。」 揶揄ってるのかと思って言い返すと、城崎は真剣な顔で俺を見た。 なんで……? どうしてそんなに俺のこと、一途に愛してくれるの? 嬉しくて何も言葉が出なくて、涙を堪えるので精一杯だった。 「ちなみにね、実家に帰ってた理由も聞きました。」 「えっ…?!」 「俺とのこと、ご両親にお話してくれてたんですね。」 「なんで…。」 全部バレてるじゃん…。 俺が寝てた一日で、一体何が起こったって言うんだ。 「柳津さんに聞き出しました。もうこの際、全部教えてほしいって。」 城崎、どう思ったんだろう? 勝手に両親に城崎と付き合ってること話して…。 大事な話だし、それにこういうのは二人で行くべきだって思ってるかもしれない。 俺が先走ってると思われたらどうしよう…。 「先輩っ…?嫌だった?俺にバレたくなかった??」 「……バレたくなかったよ。」 「なんで?俺は嬉しかったんだけど…。」 「本当に…?だって勝手に親に話とか…」 「めちゃくちゃ嬉しいですから!!だって、親に言うってことは、これからも俺と一緒に居たいと思ってくれてるってことですよね?!」 「そ…ぅだけど…」 「嬉しいに決まってるじゃないですか。」 城崎は力強く俺を抱きしめた。

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