やっと両親に認めてもらえた。 嬉し過ぎて夢かと思ってしまうくらいだ。 「ただいま〜。」 「先輩っ？！連絡は？？」 「あ。忘れてた。」 「大丈夫？息苦しさとかない？震えは？」 玄関のドアを開けると、城崎が血相変えて飛んできた。 そういえば連絡してなかった。 俺、一人であの道歩けるようになったんだ…。 「城崎…っ」 「え、何？どうしたんですか？」 城崎に抱きつくと、優しく抱きしめ返してくれる。 認めてもらった。 城崎のことも怖くない。 病気はきっと治った。 もう、俺が城崎に想いを伝えられない理由はない。 「…………好きだよ。」 「今…なんて…？」 「大好きだよ、城崎。」 「？！？！！」 城崎に想いを伝える。 好きだって、ずっとそう言いたかった。 言えたことに安心して、全身の力が抜ける。 「やっと言えたぁ…。」 「先輩…っ」 「城崎、好き…。」 「お、俺も…！俺も大好きです！！愛してます！！」 「ははっ。痛いよ、バーカ。」 全力で抱きしめられて、苦しいけど幸せ。 「嬉しい〜…。夢？俺、夢見てるの？」 「髪一本抜いてやろっか？」 「痛っ！うぅ〜……、夢じゃない〜……。」 城崎が泣くから、俺もつられて泣いてしまった。 泣くほど喜んでくれるなんて思わなかったな…。 きっと寂しい思いさせてたんだよな…。 「今日さ、ベッドで一緒に寝よ？」 「いいんですか…？」 「城崎が抱きしめてくれてたら、大丈夫だと思う。」 「うん。先輩が嫌って言うまで離さない…。」 可愛い。 この腕力、本当に離す気ないな。 「とりあえずリビング行こ？」 「あっ…、そ、そうですね！夕食も作ってるんです！」 「やったぁ。今日は何？」 「夏野菜カレー…。でもこんなことなら、もっとごちそうにすればよかった…。」 「カレー好きだよ？嬉しい。」 ご飯とカレーをよそって、「いただきます。」と手を合わせる。 うん。美味しい。 やっぱり城崎の作る料理は最高だ。 先にお風呂をもらって、テレビを見ながら城崎を待った。