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第759話

「お待たせしました…。」 「…っ」 後ろから城崎に抱きしめられる。 風呂を上がったばかりで、いつもより温かい。 毛先から雫が落ちて、俺の服の中に入った。 「ひぁっ!」 「えっ?」 「髪!乾かしてこい!」 「ええ〜…。すぐ乾かしてきます…。」 変な声出してしまって焦ったけど、城崎は素直にドライヤーをかけに脱衣所へ戻っていった。 やば…。 好きって伝えてから、ずっとドキドキしてる…。 付き合い始めた時みたいだ。 城崎は本当にすぐ乾かし終わって、リビングに戻ってきた。 「先輩、寝に行こ?」 「う、うん…。」 「手繋いで入ったら安心する?それとも抱っこしようか?」 「手繋ぐでいい…。」 「ん。」 手を繋ぐのかと思ったら、肩をグイッと寄せられる。 城崎が寝室の扉を開いた。 そこはとても懐かしい感じがした。 「大丈夫そう?少し肩に力入ってますけど…。」 「大丈夫…。」 「抱きしめていいですか?」 「うん…。」 城崎に抱きしめられると、緊張して硬くなった心や身体が解れていく。 俺の緊張が少し解れたのを見て、城崎はベッドに座って、とんとんと膝を叩いた。 「先輩、おいで。」 城崎に手を広げられて、俺は誘われるようにその腕の中に収まる。 大丈夫…。 城崎に抱きしめられてるから怖くない…。 「やっぱり完全にはリラックスできないかぁ。」 「そ、そんなこと…」 「でもここで一緒に寝たい。俺のわがままに付き合ってくれますか?」 頷くと、城崎は俺を抱きしめたままベッドに横になる。 俺が一緒に寝たいって言いやすいように、付き合ってくれるかなんて聞いてきたんだろうな…。 「疲れちゃったからすぐ眠れそう。先輩は?」 「俺ももう眠い。城崎のお土産話聞きたかったのになぁ。」 「明日いくらでも話してあげますよ。大した話ないですけど。」 「そうなの?」 「うん。ねぇ、先輩。眠れそう?」 「城崎いるから大丈夫。」 今日は緊張している時間が長かったからか、城崎の温もりに包まれてすぐに落ちてしまった。

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