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第804話

「も…、もしもし…っ?」 『もしもし。先輩?』 低くて優しい声。 あ……、イク……。 「〜〜っ♡♡」 『先輩…?』 城崎の声が引き金になって、やっとイけた。 気持ちよかった…。 心臓がバクバクしててヤバい。 早くなっていた呼吸を整えるために深呼吸をする。 賢者タイムに入って手を止める。 『先輩、大丈夫?!もしかして過呼吸?!』 「はっ…ぁ、違…」 『本当に大丈夫?どうかしたの?』 めちゃくちゃ心配してくれてんじゃん。 なのに俺…、こんな……。 こんなにもはしたないことしてたって、城崎にはバレたくない。 「し…ごと…、順調…?」 『順調ですけど…。ねぇ、本当に大丈夫なんですか?』 「だいじょ…ぶ。心配すんな…。」 『………。お昼、冷蔵庫に入れてますから。ちゃんと食べてくださいね?』 「ん…。ありがと。」 話が切り替わって、少しホッとした。 もう十分に心配かけた。 これ以上、城崎に心配かけたくない。 『俺、仕事戻ります。』 「え、もう…?」 『早く帰りたいから。待っててね。』 チュッというリップ音のあと、電話が切れた。 あー……、早く帰ってきてほしいな…。 たくさん触れてほしい。 抱きしめて、キスして、俺からもいっぱい"好き"って伝えて、それから…。 想像したら顔が熱くなる。 時計が動くのが遅く感じてしまう。 一人ってこんなに寂しかったっけ…? スマホの写真フォルダを開くと、昨日隠し撮りした城崎の寝顔。 「好き…。」 気持ちが溢れてくる。 そもそも、こんなにも好きなのに、離れられるわけなかったんだよな…。 さてと、片付けないと。 その前に昼飯も食わねぇと。 ベタベタになったペニスと腹部をティッシュで拭き、玩具やタオルを洗うために洗面所に持っていく。 洗うのは後にして、とりあえず昼飯食お。 冷蔵庫を開けると、いつものお弁当のように彩りも考えられたおかずがお皿に盛られていた。 おかずは電子レンジに入れて、その間にお茶碗にご飯をよそう。 ご飯を食べ終えてからは、さっきの気怠さもあってか異様に眠く、そのままソファで昼寝してしまった。

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