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第807話
「えっ…!?い、痛かった?嫌だった?」
城崎は俺が泣いてるのに気づいて、慌てて唇を離した。
城崎の親指が俺の涙を掬う。
やめてほしくないのに。
勘違いしてほしくない。
「違…っ、嬉しくて……」
「え?」
「城崎、好きだよ…。もっと触って…」
城崎に手を伸ばすと、その手をぎゅっと握られた。
指を絡めたり離したり、まるで手のひらでキスしているみたいだ。
「昨日と同じように触ってもいいですか?」
昨日と同じようにって…。
そういうこと…だよな?
「…ぅ…んっ」
返事すると、城崎はズボンをずらした。
城崎のも勃ってる…。
お互いの硬いソレを重ねられ、城崎の大きな手が包む。
それだけで変な声が出る。
ヤバいこれ…。
気持ちいい…。
「気持ちいい…?」
「ん…っぁ、もっと…」
包まれるように優しく触れられるだけじゃ足りない。
城崎の手の上に手を重ね、激しく上下に動かした。
先走りのおかげで少し滑りやすく、カリが擦れ合う。
ビリビリと痺れるような快感が全身を襲った。
「はっ…はっぁ…♡城崎っ♡もっとシて…っ」
「エロすぎ…っ」
「はぁっ…、ぅ…、イク…、イクゥ…♡」
温かいのが俺と城崎の腹の間でくちゅくちゅ音を立てる。
顔を上げると、城崎も気持ちよさそうに目を閉じていた。
「先輩…っ」
「城崎…、んっぁ♡…ぁ、好き…っ」
城崎に顔を擦り寄せ、気持ちを伝える。
すると、城崎は顔を近づけてきて、俺の耳元に唇を当てた。
「愛してる。」
低く掠れた、少し余裕のなさそうな声で伝えられた愛の告白に、俺はまた嬉しくて涙を流す。
「好き…っ、城崎…、城崎…っ、好きっ…」
「…っ、愛してる…、愛してるよ、先輩…っ」
城崎の手が強く激しく動く。
あまりの快感の強さに、俺は首を振った。
これダメ、気持ち良すぎる…。
「先輩ッ…、っ…!!」
「あっ、城崎…っ」
城崎の先っぽから熱いものが吐き出される。
俺の先からも、なけなしの精液がとろんと勢いなく溢れ出していた。
やっぱりヤバいな、これ…。
気持ち良すぎる……。
「先輩……」
「ん……、何……?」
「ここ…、借りていい?」
城崎は眉を下げながら、俺の内腿に触れた。
これってつまりアレだよな…?
素股…するのか?
「し…、尻じゃなくていいのか…?」
「うん。」
挿れないのはきっと、俺の体に気を遣ってのことだと思う。
もう大丈夫だと思うけど…、でも無理して途中で終わるのだけは絶対に嫌だ。
素股でも気持ち良くなってもらえるなら……。
さっきソファの下に隠したローションを取り、城崎に渡した。
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