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第814話

シャワーをつけたまま、夢中で唇を求め合う。 少し腰を動かされると、時々ペニスが擦れ合って堪らない気持ちになる。 「し…ろさきっ…」 「先輩…っ、好き…、愛してる…」 愛の言葉を囁かれるたび、胸がキュゥっとなって、なんだか泣きそうになる。 城崎の手が、俺の髪や頬を撫でる。 大きくて優しくて、大好きが溢れそうだ。 「先輩…、いい……?」 「お…、おぅ…。」 するのかな…? そりゃそうだよな。 そのためのホテル…だよな? 「先に髪と体洗っちゃいましょうか。」 「おー…」 シャワーチェアに座らされ、全身を綺麗に洗われる。 ヤバい。 このあとするんだと思ったら、緊張してドキドキがおさまらない…。 「っっ!!!」 「ふふっ。先輩、体強張りすぎ。そんなに緊張しなくても。」 「ご、ごめん!」 泡を流されていたと思ったら、突然首筋にキスされて身体が跳ねた。 心臓バクバクいってる。 決して怖くはないんだけど、緊張が半端ない。 「大丈夫。嫌なことは絶対しないですから。」 「う、うん…。」 「抱きしめていい?」 「う…ん。」 湯船に浸かって、ぎゅぅっと抱きしめられる。 腰辺りに城崎のアレの存在を感じるけど、勃ってないはずなのに存在感がすごい。 これが俺の中に……。 いやいやいや、今まで何回も挿れて来ただろうが。 何今更怖気付いてんだ、俺。 「先輩が俺の腕の中にいる……。」 「だから何だよ…?」 「幸せ。ちゃんと生きてるって感じがする。」 「………なんか分かる。」 城崎と離れていた時間、毎日が絶望や不安でいっぱいで、後悔もたくさんしたし、うまく息ができている気がしなかった。 城崎も同じだったのだろうか? 「俺、先輩なしじゃ生きられないみたいです。」 「俺も…。」 「これからは何があっても、ずっとそばに居てくださいね。」 「うん。」 「約束。」 小指同士を絡めて約束をする。 俺が笑うと城崎も笑ってくれて、あぁ、幸せだなって。 心からそう思った。

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