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第815話

「お風呂上がりますか?赤くなってきてる。」 「あぁ、うん。」 幸せに浸ってぽやぁっとしていると、頬を両手で包まれる。 頭がぼーっとするし、顔も赤いらしいから、のぼせかけていたのかもしれない。 城崎の手を借りて風呂から上がり、バスローブに身を包んだ。 「先輩、もっとキスさせて。」 「ふっ…、ん……」 ベッドに押し倒されて、何度も優しく唇が重なる。 好きな人に求められることがこんなにも嬉しいなんて。 城崎にもっと触れられたい。 俺の全部を感じて欲しい。 「城…崎っ…」 城崎の後頭部を抱き寄せて、自分から舌を入れる。 きっと下手くそなのに、城崎は俺の好きなようにさせていた。 「…っ、気持ちいいか…?」 「はい。もちろん♡」 「余裕じゃん…。」 「そんなことないですよ。ほら。」 城崎は俺の右手首を掴み、下へと誘導する。 手のひらに興奮した男の象徴を感じ、俺の緊張が一気に増した。 「………っ///」 「ね?」 改めてちゃんと城崎の顔を見ると、少し余裕なさそうに口角を歪めていて、それが無性に愛おしかった。 城崎と一緒に気持ちよくなりたい。 城崎を喜ばせたい。 愛してほしい。 愛したい。 「城崎…っ」 「ん?」 「触っていい…?」 「お願いします…」 許可を得て、城崎の下着の中に右手を入れる。 まだ最大じゃないのに、何でこんなにでかいんだ…。 自分でして気持ちいいところを想像しながら、緩急をつけて扱くと、城崎は低く唸った。 「先輩…っ、は…っぁ…」 「……ぅ…」 「キスして…?」 「ふっ…ぅ…」 俺が触られているわけじゃないのに、城崎の興奮に当てられて興奮してる。 扱くのに夢中になっているとキスが止まってしまい、城崎から唇を重ねてくれる。 舌を動かすと、次は手が止まってしまう。 「仕事の多重課題はできるのに、エッチなことはからきしだめですね。」 「ご、ごめん…」 「そーゆーとこが可愛い。快感の閾値が低いのに、もっともっとって欲張りなのがすげー唆る。」 「んぅっ…♡」 ぬるっと口内に舌が入ってきて、掻き回されて気持ちいい。 キスに夢中になっていると、また手が止まっていたらしく、城崎の手が俺の右手に重ねられた。

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