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第820話

「なぁ、城崎。」 「はい……。」 「明日もいっぱい触って。」 城崎になら何されても大丈夫だ。 むしろもっと触れてほしい。 おかしいだろうか? こんな本心を知ったら、女々しいと笑うだろうか? 城崎は目を見開いた後、少し不安そうな顔をした。 「先輩…」 「ん?」 「今日…、その……、乳首…触られても嫌じゃなかった…?」 ち…くび……。 「は、はぁっ?!」 「いいから!教えてください…。」 そんなこと聞かれると思っていなかったから、恥ずかしくて顔が熱くなる。 つーか、俺が正直に答えるわけないじゃん! って思ってたんだけど…。 城崎は真剣に俺の目を見つめていた。 うぅ…。 答えなきゃいけないやつだよな…、これ……。 「ホテルでも言ったけど…、気持ちよかった…よ…。」 「本当?無理してない?」 これ以上聞かないでくれ…。 頑張って正直な気持ちを言ったら、顔を覗き込まれて再確認される。 恥ず…。 「してない。…ていうか、気持ちよくなかったらあんなに声出さねぇし…。」 「………たしかに先輩、すげー喘いでた。」 城崎は考え込んだ後、納得したような顔をした。 乳首をイジられてあられもない声をあげていたのを思い出し、沸騰したみたいに顔が熱くなる。 「喘いでたとか言うな!」 「俺の脳内にしっかり録音されてるんですよ。」 「今すぐ消せ!」 本当やだ…。 もう絶対声出さない…。 あんな恥ずかしい声覚えられてるとか無理…っ! 「先輩…」 「次は何だよ?」 「もう一回ここ、触っていい?」 「ひぁっ!?」 Tシャツ越しに乳首を指される。 さっき声を出さないと誓ったばかりなのに、驚いて変な声が出た。 ニヤニヤしてる城崎の顔を手のひらで押す。 「今日はもうダメ!」 「今日は?じゃあ明日ならいいんですか??」 たしかに"今日は"って言った。 うん。だって別に触って欲しくないわけじゃない。 むしろ触って城崎が興奮してくれるなら嬉しいし…。 俺だって触られたら気持ちいいし…。

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