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第838話
寝室に入ると、城崎はベッドに座り、本を読んでいた。
俺とお揃いの黒いバスローブは、城崎の肌を引き立てていて、開いた胸元はまるで俺を誘っているようだった。
間接照明が城崎のエロさをさらに引き立てていた。
城崎は俺に気付き、パタンと本を閉じる。
城崎の奴、雰囲気作りうますぎるだろ…。
「先輩、着てくれたんだ?」
「置いてあったからな…。」
「似合ってる。もっと近くで見せて。」
手を広げられて、おいでと誘われる。
俺は城崎の足の上に跨るように座った。
「先輩…、マジですか…?」
「………」
跨ってバスローブが少しはだける。
城崎は目線を下にやってそう言った。
バスローブの下は何も履いていない。
それに気づいた城崎は顔を赤くして、口元を手で隠した。
「やべー…。ごめん。嬉しくてニヤけちゃう。……期待しちゃいますよ、こんなの。」
「すればいいだろ。」
「先輩…、愛してるよ。」
チュッ…と可愛らしいリップ音を立てて、唇が一瞬重なる。
ズルい。
そんなのじゃ足りないの、分かってるくせに。
城崎の首に手を回し、グイッと引き寄せて覆うように唇を重ねる。
舌を入れると、城崎は俺の後頭部を支えて固定し、キスしたままベッドに押し倒した。
「んっぁ…、ふ…んっ…♡」
「……っ、可愛い…」
「ぁ…んっ、しろ…さきぃ…」
「可愛い。愛してるよ。」
「んっ、ンン…ぁっ♡あっ♡」
キスしながらペニスを扱かれ、あっという間にイカされる。
ヤバい…。
好き。好き。城崎のことが大好き。
荒い呼吸を落ち着けるために深呼吸すると、城崎は俺の頬を撫でた。
俺の頬を撫でる手はとても優しいのに、城崎は切羽詰まった顔をしていた。
「先輩、俺マジで我慢できないかも…」
「しなくていい。」
「でもやっぱり…」
「城崎。」
俺は体を起こし、逆に城崎を押し倒した。
驚いて目を丸くする城崎に伝える。
「俺、魅力なくなっちゃったんじゃないかって、すげー不安だったんだからな…。」
やっと喧嘩も終わって、城崎が前みたいに俺を愛してくれて嬉しかった。
毎日好きだと伝えてくれて、キスもして、だけどどれだけ求めたって、城崎は挿れてくれなくて…。
身体だけじゃないって分かってる。
心から愛してくれてるって分かってる。
だけど、繋がった時の幸せを俺は知ってるから。
心も身体も満たされて、涙が出そうなくらい幸せだって知ってしまったから…。
だから俺は、城崎と繋がりたいんだ。
「そんなわけないじゃないですか!!いつだって先輩は魅力的で…ッ?!」
「責任とって、今日は全部城崎のにして…。」
バスローブを脱いで、城崎を抱きしめる。
5秒くらい何の反応もなくて、不安になって顔を上げると、突然ぎゅううっと物凄い力で抱きしめられた。
「大切にします!!!」
「い、痛い…」
「不安な思いさせてごめん。でも、俺すげー我慢してたから…。今日は何言ってもやめてあげられないです。」
「城崎だけじゃないから。俺だって我慢してた。」
「愛してる。」
城崎はバスローブを脱いで、もう一度俺を抱きしめた。
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