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第841話

城崎の指気持ちいい…。 前立腺を弄くり回されて、射精せずに何回もイッてしまう。 「綾人、気持ちいいの?」 「ふぅぅ…」 お尻と耳を同時に責められて、ベッドに這いつくばった。 力入んない…。 指一本でこんなにもヘロヘロにされて、城崎の言う通り、今日は挿れてもらえないのかもしれない。 これじゃあ去年の誕生日より何もしてあげられてないじゃん…。 気持ちよくしてもらってばっかりで、俺が城崎のこと気持ちよくしてあげたいのに…。 「城崎…っ」 「ん?」 「挿れて…っ」 「俺の指いっぱい咥えられたらね。」 必死に懇願するけど、城崎は嬉しそうに目を細めて俺の頬を撫でるだけ。 本当に挿れないの…? 「城崎…っ」 「気持ちだけで十分だよ。俺こんなに満たされて、本当幸せ者だなって実感してるし。」 「ぁっ…ぅ…、城崎…、城崎…っ」 十数回目の絶頂を見届け、城崎は俺の尻から一旦指を抜いた。 イキすぎてしんどいけど、力を振り絞ってなんとか城崎の手首を掴む。 「気持ちよくしたい…っ」 「でも…」 「足開いてそこ座って。」 「え?」 「いいから!」 俺の命令に疑問を感じながらも、城崎は胡座をかいた。 城崎の中心は硬く(そそ)り立っていた。 顔を近づけると、城崎は俺の額を手のひらで押す。 「ちょっと待って…。」 「何だよ?」 「これは…、その……」 「気持ちよくしたいって言ってんだろ。」 「でも……」 戸惑ったような表情。 俺にフェラされるのが嫌なわけではないと思う。 城崎の気掛かりは、結局のところ俺なわけで。 「でもでもうっせぇんだよ!」 「ちょ…?!」 「何?俺がそんなに貧弱に見えるか?ずっと守ってもらわなきゃダメな人間に見えるかよ?!俺は城崎の……、夏月のこと気持ちよくしたいんだよ!!」 ヤケになって突っかかるように叫ぶと、城崎は俺を抱きしめた。 抱きしめる手は、技をかけられているかと勘違いするほど力が籠っていた。 「好きです…。大好き。だから……」 「俺のこと大切にしてくれてるのは伝わってるよ。大丈夫。」 「うん…」 「その…、な、夏月だって俺のこと気持ちよくしたいって思ってくれてるだろ?」 「うん。」 「俺も同じ気持ちだよ。おまえのためにしてあげたい。多少痛くても苦しくても大丈夫。俺のこと信じてよ。」 城崎の頬を両手で包んで、目を合わせて伝える。 城崎は泣きそうな顔で頷いた。 「どうしてほしい?」 「一緒に……、繋がって一緒に気持ちよくなりたい…です…。」 「うん。俺も。」 城崎の唇にキスすると、そのままゆっくりと押し倒された。

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