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第842話

何度も優しいキスが降り注ぐ。 すげー甘やかされてる感じ。 嫌いじゃない。 「んっ…、城崎…」 「綾人…、綾人、好きだよ…」 何度呼ばれても慣れない名前呼び。 恥ずかしくてムズムズする。 城崎は身体を起こし、サイドテーブルに手を伸ばして、取った物の封を切った。 さっきも見たそれを、今度は指じゃなくてペニスに装着する。 挿れやすいように背を向けようとすると、くるりと正面に向き直される。 「顔見てしたい。」 「っ!!」 「体勢辛いかも知れないけど、ごめんね。」 とろとろとペニスにローションをたっぷりとかけられる。 それは陰嚢を伝い、肛門まで垂れていく。 じわりと温かくなり、濡れるはずのないそこが受け入れやすいように整った。 「綾人…」 俺の名を呼ぶ切ない声。 お尻の穴に怒張したペニスが押し当てられる。 全く入る気配のないそれは、ぬるぬるとローションの滑りを使って中に押し入ってきた。 「っ…」 「痛い…?」 「平気…。まだ全然大丈夫。」 すぐに抜けてしまいそうな浅い挿入。 本当はちょっと痛い。 でもそれ以上に挿れてくれたことの幸せの方が大きかった。 「もう少し進めてもいい?」 問いかけに頷くと、ぐぐっとさらに中に入ってくる。 「ぃっ…!」 「大丈夫?!」 「へーき…だから…っ」 ピリッとした痛みが走り、少し裂けたのだとわかった。 でも抜いて欲しくなくて、笑顔を見せて平気だとアピールする。 城崎は汗で額にへばり付く俺の前髪を分け、額や瞼、耳や首筋、いろんなところに愛おしそうにキスを落とす。 「ぃ"あっ…!!」 「ごめん。我慢して…」 「っっ…!!」 切れるような痛みが襲った後、ビクンッと中から震えてしまうくらいの快感が襲う。 城崎は俺の反応を見て、嬉しそうに笑った。 「綾人、気持ちいい?」 「はっぁ…!あっ!待って…!待って、城崎!!」 「やだ。待てない。」 「あっぁ♡そこっ…!そこ、ダメ…っ!」 指で執拗に責められたそこは、さっきとは比べ物にならないくらい強烈な刺激を俺に伝える。 目の前がチカチカするような快感に襲われ、城崎にしがみついてストップを掛けるが、城崎は同じ箇所を揺さぶった。 俺は連続でイキ、必死に息を吸う。 「しろ…、さき……」 「ん?」 「気持ちいい…?」 「もちろん。すげー気持ちいいし、心も体も満たされまくってますよ♡」 よかった。 城崎も幸せで、城崎も気持ちよくて…。 繋がれてよかった。 嬉しくてぽろりと涙が溢れた。

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