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第856話

涼真の彼女…改め、澪さん。 倉科さんに双子の妹がいたとは驚きだ。 揃いも揃って美男美女だな…。 「私が医者って隠してたのは、それ目当てで寄ってくる人が多かったからよ。」 「はんっ。そもそもおまえ、ろくに恋愛してこなかったろ。」 「うるさいわね。涼真は違うのよ。ちゃんと私のこと見てくれてるの。」 「ふーん?」 兄妹喧嘩始まった…。 涼真はいまだにぽかんとしている。 「私、涼真のこと本気だからね?」 「お、俺も!俺も澪さんのこと本気で愛してます!」 「「ぶっ…クク…!」」 城崎と倉科さんは堪えきれずに笑っている。失礼だな。 澪さんは嬉しそうに涼真の腕を組んでいるし、圭くんは幸せそうにクッキー食べてる。 まぁこれで丸く収まったってことだよな…? 「よかったな、涼真。」 「おう。にしても、城崎が澪さんと知り合いとは思わなかったな。」 「ねぇ、涼真。その方が城崎さんの恋人?」 「うん。俺の親友の望月 綾人。」 「へぇ〜。城崎さんって、こういう人がタイプなんだ?」 澪さんは城崎がゲイであることを知っているのか、恋人が男であることに何の偏見も持っていないようだった。 双子の兄がゲイだから尚更か。 「俺の好み最高でしょ?」 「うん。涼真がゲイじゃなくてよかった。こんな素敵な人そばにいたら浮気しちゃいそうだもんね?」 「ちょ、澪さんっ?!疑ってごめんね?」 「ううん。私こそ勘違いさせるようなことしちゃったし。嘘ついてごめんなさい。」 こっちも仲直りできたみたいだし、本当に良かった。 俺の時は拗らせすぎたな…。 いや、相手が城崎に本気だったのが問題だったな…。 「あ、そうだ。澪さん。海行きません?」 「えっ?」 「俺と綾人さん、柳津さんと、会社の後輩とその彼女。」 「あら。行こうかしら?」 突発的な城崎の誘いに、澪さんは目をキラキラさせて賛成した。 そしてそれを聞いていた圭くんもバッと手を上げる。 「俺も行きたい!!」 「はぁ?」 「透も行こ?ね?海行きたーい!」 「おまえすぐ焼けるだろ。」 「ちゃんと日焼け止め塗るから!ね?いいじゃんかー!透のケチー!」 「あーもう…、ったく。夏月、いいか?」 「いいんじゃないですか?」 ちゅんちゅん発案だけど、ちゅんちゅんがいないところでちゅんちゅんが知らないメンバーが集まってしまった。 いいのか?これは…。 「ちゅんちゅんだし、みんなと仲良くなるんじゃね?」 「圭くんと仲良くなったら倉科さんに殺されそうだけどな…。」 「え?」 「まぁ、彼女いるし平気かな…?」 色々不安要素はあるけど、なんだか賑やかな一日になりそうだ。 涼真のことも解決して、木曜日が楽しみになってきた。 圭くんお手製のクッキーを頂いて、木曜のことは後日連絡するということで解散となった。

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