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第901話

ムラムラしながらなんとか眠りにつき、翌日。 今日は城崎とたっぷりイチャイチャするつもりだったんだけど、さてどうしよう。 「綾人さん…」 「はい…」 ソファに城崎と向かい合って正座する。 城崎は真剣な目で俺に問いかけた。 「セックスって、どこからがセックスなんでしょうか。」 「うん。俺もそれ思ったから調べた。サイトによるけど、挿入と射精を伴った性行為がセックスらしい。」 海から帰ってお預けを食らった日、悔しすぎて調べた。 でも、どこのサイトもあまりはっきり明示はされてなくて、挿入がダメなんてことは俺たちでも分かることだから、俺が知りたいのはどこまでしていいかってことなんだけど…。 「つまり触るのはいいってことですか?」 「あんまり定義とかは書いてなくて…。乳首とかに触るのもセックスだって言う人も多いっぽい…。」 「………」 「俺、城崎の手でイカされたら、倉科さんに約束守れたか聞かれた時に、自信持って守れたって言えない気がして…。」 めちゃくちゃ個人的な問題だけど…。 でも城崎が、倉科さんは人の心を読むのが上手いって言ってたから、ただでさえバレやすい俺に自信がないのは当たり前だ。 「……了解です。分かりました。つまり俺が綾人さんに触れなければいいってことですね?」 「どうすんの…?」 「自慰行為見せ合いましょう。」 「はぁっ?!」 「俺たちに残された道はそれしかありません。」 ガシッと両手を掴まれて、逃げ場がなくなった。 こんな真っ昼間に、お酒も入っていないクリアな頭で、見せ合い……? 無理無理無理無理。 「ついでにお仕置きも今日決行します。」 「へっ?!」 「寝室で待っててください。」 城崎は意を決したような顔つきで部屋を出ていった。 一体何させられるんだ…? 寝室に行って遮光カーテンを閉めると、真っ昼間なのに部屋の中が薄暗くなる。 「お待たせしました。」 城崎は爽やかな笑顔で玩具箱を持ってきた。 何が入ってるか大体知っている俺は、ごくりと唾を飲み込む。 玩具使って自慰しろってことだよな…。 「好きなもの使っていいですけど、お仕置きはこれね。」 「何…これ…?」 黒くてクラゲみたいな形のシリコン製の玩具。 亀頭に嵌りそうなサイズではあるけど、真ん中に杭みたいなのがあるし、何に使うんだ…? 「ペニスプラグです。綾人さん、尿道開発しましょう。」 「?!!」 「大丈夫。尿道に入る長さ短いですし、それに細いし!初心者用なので!」 初心者用なので!……じゃねぇだろ。 尿道開発って何?! アブノーマルすぎんだろ!! 「異物入れるの心配?ちゃんと消毒してるから大丈夫ですよ?」 「いや、そうじゃなくて……」 「俺もちゃんと見てますから。綾人さんが気持ちよくなるところ。」 いやいやいや…。 自分で尿道に物を突き刺す勇気なんて、俺にはねぇよ。 手渡されたソレを持って固まっていると、城崎は心配そうに俺の顔を覗き込む。 「恥ずかしい?怖い?」 「どっちも…」 「ん〜。いきなりすぎたか。怖がらせてごめんなさい。先にリラックスしましょうか。」 城崎に連れられて、見せ合いは後になり、一旦リビングに戻った。

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