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第902話
ソファに座るよう促され、座って待っていると、城崎がワイン片手に戻ってきた。
「少し飲みましょう。その方が緊張とれるでしょ?」
「おぅ…。」
城崎は隙間なくぴったりと俺の隣に座り、腰を抱き寄せてくる。
ワインは思ったより美味しくて、ついつい手が伸びた。
ものの数分で俺の頭はふわふわとほろ酔いを始め、城崎に体重を預ける。
「もう酔ったの?」
「ん…。」
「俺の言うこと聞ける?」
「普通に見せ合いじゃダメなのか…?」
「ダメ。」
ぴしゃりと言い放たれ、約束した時のことを思い出す。
「嫌ならしないって言った…。」
「愛のあるお仕置きなら受け入れるって言った。」
「痛いのはやだって言った。」
「痛くても気持ちいいなら頑張るって言った。まだ試してもないでしょ?痛いだけならやめていいから。」
全部言いくるめられてしまった。
しおらしい城崎はどこへ…。
怖い……。でも……。
「……頑張ったらご褒美くれる?」
「もちろん。」
ご褒美が待ってると知り、なんでもできそうな気がしてきた。
城崎によしよしと頭を撫でられ、また寝室に戻る。
キスを強請ると、何度か優しく唇を重ねてくれた。
「もっと…」
「後でね。勃ったら入らないから。」
「本当に付けんの…?」
「付けて見せて欲しい。」
「うぅ……」
ズボンを下ろしている間、城崎はじっと俺を見つめていた。
頑張ったらご褒美…。
城崎に手招きされ、近寄るとぎゅっと抱きしめられる。
背中からハグされたまま、城崎を背もたれにして足を開いた。
ペニスにローションを垂らそうとすると、城崎が俺の手を止めた。
「ローションじゃなくてこっち使おう。」
「……わかった。」
城崎が渡してきたのは、個包装の潤滑ゼリー。
それを垂らしてから、そっと亀頭にプラグを被せる。
これ以上進めたら、プラグが尿道に……。
手を止めて、城崎に助けを求めようと顔を上げると、城崎は熱っぽい視線を俺に向けていた。
「綾人……」
「……っ」
城崎の期待に応えたくて、手を進める。
プラグが尿道に入ってくる。
「ぃっ…」
「痛い?」
「わ…かんない……。なんか変な感じ…っ」
「物足りない?」
城崎の質問に首を縦に振る。
初めての場所に異物が入った不快感、でもなんだかジワジワと刺激されているような物足りなさもある。
もっと刺激があれば違うのだろうか…?
「初心者用だから、奥まで届かないしね。今度尿道ブジーとか買ってみよっか。」
「い、いらない…っ」
「尿道からも前立腺刺激できるんだよ。想像してみて?前立腺擦られてるのに、尿道塞がせれてイけないの。抜くまでずっと気持ち良いの。欲しいでしょ?」
城崎が耳元で囁く。
脳内で簡単に想像できてしまったそれは、ドライオーガズムの良さを痛いほど経験してしまった俺にとって、堪らなく魅力的だった。
「今日は俺が手を出せないから無理だけど、早くシたいね?」
「…っ」
「じゃあペニスプラグも付けたことだし、後は好きなもの使って気持ちよくなってるの俺に見せて?」
並べられた歴代玩具の多さに、頭がパンクしそうになった。
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