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第919話
夕食を終え、夏月に抱きしめられながらテレビを見て過ごしていると21時。
疲れが溜まりうとうとしていると、首筋にキスされる。
「ん……」
「綾人さん、お風呂は?」
「夏月は…?」
「俺は足温めちゃダメなんで、シャワーで済ませます。」
「そっか…。」
一緒に入りたかったな…。
声に出ていたのか、態度でバレたのか、夏月はぎゅーっと俺を抱きしめる。
「捻挫治ったら毎日一緒に入ろうね。」
「うん。約束な…?」
「はいっ♡♡」
たっぷりとキスしたあと、夏月はシャワーをしに先に浴室へ行ってしまった。
事故のことがショックで忘れかけていたけど、一昨日の夜から昨日の朝にかけて愛され続けた記憶が、まだ鮮明に思い出せる。
明日は土曜日だし…と思ってたんだけど、安静にしなきゃいけないなら今日もお預けかな…。
「綾人さん?ぼーっとしてるけど、大丈夫?」
「…っ!早くね?」
「まぁ流すだけだし。」
サポーターを外した夏月の右足首はまだ腫れぼったくて、打ったであろう部分は青黒い内出血が広がり痛々しかった。
触るとまだ熱を持っていて、夏月の口元が歪んだのを見て痛いのだとすぐに分かる。
「痛いよな…。」
「まぁ…、はい。思ったより。」
「俺が変わってあげられたらいいのに…。」
優しく患部を撫でると、夏月は頬を赤らめた。
俺、なんか刺激させるようなことしてしまったか?
「あっ、えっと…、そうだ!今日洋菓子頂いたんですよ!昨日助けた男の子のお母さんが、わざわざ警察まで持ってきてくれたんです。」
「へ?」
「予約いっぱいで全然買えないって話題のとこなんですよ!凄いですよね。もしかしたら前から予約してたのを下さったのかもしれないですね。綾人さん甘いものに目がないから、俺ももらった時嬉しくって…、………綾人さん?」
目を泳がせながら話を逸らす夏月を見て確信した。
多分……。
「夏月、ムラムラしてる?」
「へっ?!」
「エッチしたい?」
「ちょ…、綾人さん…っ!?」
ソファに追い込み、無理矢理座らせる。
股間を触ると、そこは硬くなりかけていた。
「夏月、教えて?」
「ちょっ…!?なんでそんな積極的なんですかっ!」
「おまえこそ、なんで隠すんだよ?」
「俺、今日は動けないから!綾人さんのこと満足させてあげられないし!」
「理由そんだけ?俺、夏月とエッチしたい気分なんだけど。」
「っ!!」
「夏月は?俺としたくない…?」
腰に跨って答えを迫る。
真っ赤に顔を赤らめる夏月を見たら、答えなんて聞かなくたって想像がつく。
「し…、したいに決まってるじゃないですか!」
「じゃあ色々準備してくるから待ってて。」
「でも俺、動けないし…。」
いつもと違って自信がなさそうな夏月の言動に、思わず母性が溢れた。
首に手を回して抱き寄せ、耳元で囁く。
「今日は俺が満足させてやる。夏月は感じてるだけでいいんだよ。」
「〜〜っ///」
いつもと逆で、今日は夏月が茹蛸みたいに真っ赤になっていた。
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