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第929話

「あっ、イクッ…♡夏月っ、夏ッ……き♡♡」 「ダメ。まだ余裕あるでしょ?」 「ないっ!ない…っからぁ…♡」 「出さずにイケたらもっと気持ち良くなれるの、綾人なら分かるでしょ?」 「あっぁ♡イキたいっ♡夏月っ、夏月ぃ…」 たっぷり時間をかけた前戯。 まだ挿入にも至っていないのに、キスと乳首への愛撫だけで俺は既に脳みそトロトロだ。 ペニスは紐で縛られ、射精したくてもさせてもらえないせいで、硬度を保ちながら鬱滞している。 とろっと溢れかけた精液が先端から滴る。 イキたいのに絶頂には至らなくて、脳が痺れたみたいに快感だけが持続していた。 「この紐、外したらどうなるかな?」 「や…だぁ…っ」 「えー?イキたいって言ってたでしょ?」 「違…ぁ、意地悪…っ」 「うん。俺意地悪だから、綾人がどうしたいか教えて?」 ただ出したいわけじゃない。 紐を解いたら、俺はきっと絶頂を迎えて射精に至るだろう。 だけど、これを我慢して夏月と繋がったら…。 「夏月っ…、夏月、挿れて…っ」 「ん〜?これ、このままでいいの?」 敏感になったペニスを根本から先まで指でなぞられ、体がビクンビクンっと激しく揺れる。 夏月は意地悪だ。 俺に目の前の欲求を最大まで提示して、それでいて尚、我慢させるように仕向けているんだから。 「いっ…ぃから…っ!早く…っ!」 「待ってね。ゴムつけないと。」 「……っ♡」 いくらでも付ける時間はあったはずなのに、絶対わざとだ。 鼻唄を歌いながらコンドームを手に持つ夏月を見て、また焦らそうとしているんだと確信する。 俺は夏月の手からゴムを奪い、自ら開封する。 「付けてくれるの?」 「……さっさと付ける気ねぇだろが。」 「あはは。バレてた?」 やっぱりな。 夏月の下着をズラすと、立派なソレが姿を現す。 もう既にしっかり天を見上げているソレに、ゴムを被せる。 両手でゴムを下ろそうとすると、夏月は俺の肌に触れてまた悪戯を始めた。 「あっ♡邪魔…っすんなぁっ…」 「ごめんごめん。可愛くてつい。」 「ぁっあ♡やめ…っろ…!」 口では謝ってるくせに手を止めてくれない。 不完全燃焼な快感を与え続けられ、手が震えて上手くゴムが付けられない。 夏月はそんな俺を見下ろして、ニヤニヤ楽しそうに笑ってる。 「このっ…!」 「うわっ!?」 手だけじゃ埒があかなくて、俺は唇も使いながら夏月のペニスにゴムをはめた。 「えっろ……。」 「付いた…。夏月…っ」 「うん。ありがと。」 夏月は俺を抱きかかえ、額にキスをしてお礼を言った。 それと同時に、ぴたりと後ろに夏月の熱いソレが押し付けられる。 「焦らしてごめんね。愛してる。」 「あっあ♡な…つき…っ♡♡」 挿入された瞬間、俺は幸せと絶頂で頭が真っ白になった。

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