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第935話
少し早めに一緒に風呂に入って、夏月の手料理を食べて、いつもより早くベッドに入る。
今日はすんのかな…?
「好き。綾人さんだーいすきっ♡」
「俺も好きだよ。」
「俺ね、綾人さんのこと好き過ぎて、時々胸が苦しくなるんです。」
夏月は心臓のあたりに手を置いて、そう言った。
分かるような分からないような…。
「何それ。大丈夫なのか?」
「うん。キューって幸せになるからいいんです。これ以上好きになったらどうなるんだろう?でも、一緒にいればいるほど、もっともっと好きになる。凄いですね、愛って。」
「おまえたまにくせー台詞吐くよな。」
「嫌?」
「ううん。嬉しいよ。」
チュッと唇を重ねると、抱き寄せられてキスが深くなる。
布団の中で、夏月の悪戯な右手が俺のズボンの中へ侵入し、尻を撫でた。
「ヘンタイ…。」
「直に触ってもいい?」
「んっ…、いいよ…。」
下着をズラし、夏月の手のひらが俺の尻を包む。
揉まれると反射的に声が出て、口を開くと夏月の舌が俺の舌を上手に絡めとった。
「んっ…、んふ…」
「綾人さん、可愛い。」
「ぁっ…、んむ…」
「ん、上手…。」
頑張って舌で応えると、頭を撫でて褒めてくれる。
きゅぅっと胸が締まるような感覚。
あぁ、さっき夏月が言ってたのはこれか。
たしかにすげー幸せだ…。
「キス気持ちいい?」
「うん…。夏月のキス、好き…。」
「俺も気持ちいいです。綾人さんのとろとろの表情見るのもすげー好き。」
俺は幸せそうに笑う夏月の表情が好き。
あー、めちゃくちゃ幸せ…。
「綾人さん。」
「ん…?」
「今日はキスだけでイカせてもいい?」
「へ?」
「どこも触んないで、キスだけで綾人さんのこと気持ちよくさせたい。ダメ?」
キスだけで……。
もしイケなかったら、夏月は不安にならないかな…?
俺、上手くやれるのか…?
「綾人さんは思うままに感じてくれればいいんです。キスのことと、俺が好きってこと以外は考えなくていいよ。」
「でも…」
「大丈夫。綾人さんのこと最高に気持ち良くさせる自信ありますから♡」
額にチュッとキスされ、顔を上げると夏月と目が合う。
自信満々な夏月の表情を見て、さっきまでの不安がスーッと消えていく。
ぎゅっと夏月に抱きついて、小さく呟く。
「よろしくお願いします…」
「喜んで。……じゃあお尻は我慢しますね。」
夏月はズボンの中から手を退け、俺を力強く抱きしめた。
あれ…?
キスしないのか…?
「夏月…、キスは…?」
「綾人さん、欲しがりだなぁ。こーゆーのは雰囲気からですよ。ほら…、俺のこと感じて?」
「ひぅっ…!」
耳元で囁かれ、ゾワゾワっと身体が震えた。
意識したら、すげー心臓がバクバク鳴り始めた。
やべ…。これ俺大丈夫かな…?
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