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第937話
下着の中が気持ち悪い。
俺、本当にキスだけでイッたんだ…。
「上手にイケましたね…♡」
「んっ…」
夏月は満足そうに微笑み、俺の額や頬、耳にキスを落とす。
やべ…。
頭ぼーっとする…。
「固まっちゃった?」
「うん……」
「ははは。うんって(笑)」
夏月はくすくす笑いながら、大切なものに触れるみたいに俺を抱きしめる。
本当にキスだけでイケるなんて思わなかったんだもん。
頭の整理がいまいち追いつかない。
「写真に収めたいくらい、綾人さんの目がとろっとろになってて愛おしかったです。」
「目ぇ…?」
「うん。とろ〜んってなってて、全人類が欲情しちゃいそうな目してた。絶対俺以外には見せられないエッチな目。」
「夏月も欲情した…?」
「そりゃもちろん。」
困ったように笑う夏月の下腹部は、言葉通り興奮して大きくなっていた。
嬉しい。
もっと俺に欲情して欲しい。
「夏月…っ、シないの…?」
「うん。今からシたら綾人さん絶対日付超える時に寝落ちするもん。」
「うぅ…。日付超えたらいいのか…?」
「どうしようかな?今日は一日焦らしてもいいかなって思ってるんですけど。」
「なんでだよ!」
「楽しみは明日の夜に取っておこうかなって。」
何故か楽しそうな夏月。
それキツいんじゃねーのかよ…。
ぷいっとそっぽを向くと、背中から抱きしめられる。
「拗ねないで〜。」
「拗ねてねーし。」
「もう一回キスイキしよ?」
「は?もうい…ッ、んぅ♡」
ぐるんっと仰向けにされ、またキスが降ってくる。
さっきキスイキできて身体がイキ方を覚えてしまったのか、今回はイクまでにそう時間はかからなかった。
夏月のキス気持ちぃ…。
自分が擦られて気持ち良いところを、夏月の口内で同じように試すと、夏月も目を細めて体を震わせる。
「なつ…き…、イッた…?」
「…………」
「夏月…?」
「もぉ〜……。」
目を逸らして俺の首に顔を埋める。
え?え?急に何?
「これ、すげー恥ずいね…。」
「……!!」
「でも超幸せ…。俺死ぬのかな…。」
耳まで赤くしてそう呟く夏月が愛おしくてたまらない。
先にキスでイカせたのは夏月のくせに、自分がキスだけでイッたらこんな照れるのかよ?
可愛い…。
「絶対死なせない。」
「うん。綾人さん置いて死なないけどさぁ…。けどさぁ〜……。マジで胸が苦しい。」
「キューってなるの?」
「うん。そう。」
「俺もだよ。一緒。」
にこっと笑うと、夏月は茹蛸みたいに真っ赤になりながら俺を抱きしめた。
日付を超えるまで数時間あったのに、俺たちは確かめ合うように何度も何度も唇を重ね合っていた。
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