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第939話
朝が来た。
今日も俺の恋人は世界一格好良い。
毎朝起きるたびにそう思うのは、完全に惚気だろうか。
「ん……。綾人さん…、おはよ……。」
「おわっ?!」
引き寄せられて、ぶちゅっと唇が重なる。
寝ぼけてるな、これ…。
「夏月…っ、ん、起きろって…。」
「ん〜……。気持ちぃ…。」
「んんっ、夏月…っ」
「…………はっ!わぁ!?おはようございます!?」
寝ぼけたまま舌を入れてこようとして、目が覚めたらしい。
なんでお前が驚いてんだよ。
と思いながら、そのままキスを続けた。
「あ〜……。幸せすぎる……。」
「俺も。……夏月、愛してる。」
「うぅ〜…。幸せすぎて泣く…。」
「なんでだよ(笑)」
ベッドでイチャイチャしてから、夏月は名残惜しそうにしながら朝ごはんを作りにキッチンに行ってしまった。
俺も一緒にキッチンに立って、夏月の料理姿を眺める。
「照れるんですけど…。」
「ん〜。近くにいたい。」
「かっっ…!?!うぅ…。今包丁持ってて手を出せないのが辛い…。」
「夜、手ぇ出すんだろ?」
「はい。めちゃくちゃに出します。」
「ぶはっ!」
言い方が面白くて吹き出してしまった。
夏月は「本気ですからね?」と念押ししてくる。
あー、もう。愛されすぎだろ、俺。
「夜さ、外食だろ?」
「はい。あ、キャンセルします?」
「違う違う。ちょっと早く家出てもいい?」
どこのレストランとまでは聞いてないけど、外に出るなら受け取りに行きたいものがある。
数日前にやっと連絡が来たんだよな。
今日までに間に合って良かった。
「用事?」
「うん。」
「俺も一緒に行ってもいい?」
「んー…、どっちでも。」
「じゃあ一緒に行く。」
夏月にあげるものなんだけど、まぁいいか。
ディナーの時にサプライズみたいな感じでもいいかなーと思ったけど、今日はずっと夏月と一緒にいたいし。
夏月、喜んでくれるかな…?
「あ、そうだ。綾人さん。」
「ん?」
「もう少しで朝ごはんできるから、お皿準備してくれますか?」
「おっけー。」
夏月にそう言われて食器棚を開けると、何故かリボン付きのワインボトル。
振り向くと、夏月は俺見て笑ってた。
「去年喜んでくれたでしょ?今年も買っちゃった。」
「嬉しい…。ありがとう。」
「へへ。今日は外でごはんだから、また後日開けましょう。」
俺との思い出一つ一つを大切にしてくれる夏月が大好き。
抱きしめ合って、キスして、目を合わせたら自然と笑顔になって笑い合った。
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